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出遅れおじさんです。
本日(8月28日)香港市場で恒大集団<3333>の株式取引が再開されたとのことです。
エッ?
と思わず絶句してしまう、驚愕のニュース以外の何者でもありません。
同社株式は2022年3月18日(終値1.65HKD)を最後に取引が停止されており、約1年半ぶりの取引再開です。
Google Finance殿のサイトでは5年チャートしか表示できませんでしたので、右端の極小さいところですが、本日は0.35HKD(対前日というか対前営業日▼79%)でした。
売るも地獄ですが、買うも地獄の入り口 一丁目かもしれません。
先日の記事
でご紹介しましたように、恒大集団は8月17日ニューヨークの裁判所に米国連邦破産法第15条(外国籍企業に適用)の適用を申請したばかりです。
本国での破産手続きはともかくとして、米国内の同社の資産が食い散らかされるのを防ぐ為の防御策と言うのが一般的な見方でしたが、なんと同社のコメントは「破産申請ではない」とのこと。
エッ?
さらに冒頭に戻って、破産したかに思えた企業の株式売買が再開される(再上場に近い?)・・・これこそが「ゾンビ企業」!!
中国というのは本当に良くわからんところです。
上記の記事で、嘉悦大学教授高橋洋一氏のコメントを引用する形で、企業の破産手続きに関わる法体系が未整備、と紹介しましたが、正しくは「形ばかりの破産法はあるが、司法の独立性もないのできちんと執行できる体制が整備されていない」と言うことのようです。
中国の企業といえども、香港に上場されていますので、バランスシートは公開されており、Yahoo! Financeの以下のページ
にありますように、恒大集団の直近3年分のBSは以下の通りです。(単位:元)
資産 負債 差引
2020年12月期 2.30兆 1.95兆 ○0.35兆
2021年12月期 2.10兆 2.58兆 ×0.47兆
2022年12月期 1.83兆 2.43兆 ×0.59兆
2021年12月期から0.47兆元(約10兆円)の立派な(?)債務超過企業で、さらに2022年には傷口が拡大しています。
こういう状態になると企業は裁判所に破産申請をして資産の保全を図るという流れになるのですが、米国で破産申請をしても「破産ではない」と訳分からん声明を出すくらいですので、中国で破産申請を出すということにはならないのでしょう。
仮に申請されても、裁判所も共産党の意向を慮って受理しないのではと言われています。
そんな中での「取引再開」・・・ゾンビが立ち上がって歩き始めたという状況ではないのでしょうか。
有り難うございました。