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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日(7月25日)の、モーサテ「プロの眼」のゲストは東短リサーチの加藤出氏で、テーマは「日銀YCCの”副作用”」でした。
というか、今日の番組のタイトルが「日銀YCCの”副作用”」でしたし、今週末までには夏休みを控えて日米欧の中央銀行の政策決定会合が開催される中央銀行ウイークですので、きっとプロの眼のゲストは加藤さんだろう、と容易に想像が付いていました。
加藤氏は、YCC(イールドカーブコントロール)を直接の標的にしていますが、以下示しますように、YCCというよりは低金利による金融緩和政策全般を批判しています。
加藤氏が副作用の第一に上げたのは、「行き過ぎた円安」です。
その一つとして、日米の価格差を上げています。
いつもながらの加藤氏の主張と同じで、この価格差の何割が純粋に円安の影響かと言うことは全く無視しています。
現行の為替相場141.5円をベースとしていますが、今の緩和策を修正して仮に125円となったとしても為替影響は13.2%です。
今回新たに取り上げたのが「丸亀製麺のきつねうどん」と、おなじみ(?)の「大戸屋のしまほっけの炭火焼定食」の価格比較をしていますが、
きつねうどん:為替影響13.2%、その他132.0%
しまほっけ :為替影響13.2%、その他390.9%
という状況で、為替以外の影響の方が遙かに大きいです。
いずれの商品も日本国内とほぼ同じクオリティーの商品を提供するのに原材料等どれくらいのエキストラコストが必要かと言うことは全く無視しています。
併せて、現地の日本食人気並びにインフレを勘案した強気の値付けという背景も全く無視しています。
ドジャースタジアムのビールも同様で、為替影響13.2%、その他の影響177.6%という具合です。
ひどいのはミュージカル「ライオンキング」の最高価格席の比較です。
NYの価格はプレミアム席480$のことと思いますが、これは再前方中央部の50席につけられた価格です。
一方、日本の最高価格席は、日本女子大の細川幸一教授が、ボッているのではという違う意味で警鐘を鳴らしていますが、演目は違いますが帝国劇場の「KINGDOM」では全1,826席のうち1,121席につけられた「名ばかりS席」の価格に近いと思います。
これだけ条件の違う席の料金を比較しても仕方ないのでは、と思います。
続けて、円安によって相対的な給与の格差が開き、人材確保の生涯となると言っていますが、この解消のためにこそ金融緩和継続によるインフレ率維持が不可避であることを全く無視しています。
第二の副作用は市場のゆがみを上げていますが、証券ディーラーのために金融政策はあるんじゃねえといいたいと思います。
第三の副作用は財政規律の緩みですが、防衛増税や、少子化増税の例を持ち出すまでもなく、どこのパラレルワールドの話を・・・という感じです。
加藤氏もややネタ尽き感が出てきたようで、単純な価格差の比較と、財政規律の緩みをあげつらっていますが、この方を出し続ける番組もいかがかと思いますし、加藤氏が出演するたびに、悪し様にこき下ろす私も私です。
エッ? 加藤氏が出なくなくなったら、「生きがい」が一つ減る?
確かに・・・
有り難うございました。