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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日(6月12日)のモーサテ「プロの眼」のゲストは東海東京証券の佐野一彦氏でテーマは「植田総裁が目指す金融政策正常化への道筋とは?」でした。
佐野氏と言えば東短リサーチの加藤出氏と双璧をなす反緩和、緊縮論者で、この6月12日の週は期せずして、FRB、ECB、日銀の三大中央銀行の政策決定会合が開催される「金融政策ウイーク」で、その初日を飾るにふさわしい・・・そこまで冷や水を浴びせかねないゲストを呼ぶか?と思わざるを得ないゲストとテーマでした。
佐野氏の考える(願望するといったほうが近い?)正常化へのロードマップは以下の通りでした。
佐野氏はロードマップで、
23年:植田新総裁就任、YCCの修正および撤廃、グローバルな景気後退
と記載しましたが、植田総裁の会見等を受けて「YCCの修正および撤廃」すでにギブアップしてバッテンが付いていました。
そもそも、グローバルな景気後退と記しながら、その影響が我が国にも波及しかねないのに、平然と「YCCの修正および撤廃(×印は付いていますが)」を並べて書く、感覚が私には全く理解できません。
24年:グローバルな景気回復
は良いとして、次の
25年:YCCの修正および撤廃 → 物価目標を1%に引き下げ
で、私は思わず再生を一時停止にしてまじまじとロードマップを読み返しました。
「物価目標を1%に引き下げ?」
ひろゆき氏の表現を借りるなら「それはあなた個人の願望ですよね!」と言いたくなりました。
その後も国債やETFの買い入れの減額や停止を進めつつ1%の物価目標を達成、「金融政策正常化を達成」して植田総裁の任期終了! と願望のオンパレードでした。
都合2回「プロの眼」のコーナーを巻き戻し(?)て、見直しましたが、なぜ「1%」なのかは語られていませんでした。
そして佐野氏はその後の「きょうの経済視点」のコーナーで、「物価目標引き下げはあるか?」とまたまた「個人の願望」を視点としてあげました。
ご本人も、「1%への引き下げ」は、政府と日銀のアコードにも反しているし、各国中央銀行や経済学者のコンセンサスにも反する(わかっているじゃねーか!)ため、ハードルが高いとしつつも、2%の物価目標が達成できないまま金融政策の正常化を行うことを論理立てて説明出来ない、とのことでした。
早い話が、金融政策の正常化を達成したいために、物価目標を変えざるを得ない・・・絵に描いたような、本末転倒です。
個人の願望を公共の電波で語るのは止めて欲しいです。
面白いのは、ほぼ同時間帯放送のニッポン放送「OK!Cozy UP」で明治大学教授の飯田泰之氏が「金融政策ウイーク」がらみのニュースで、
「世界各国の金融メディアはなぜこんなに『利上げ』が好きなのかと、アカデミックな論文でも指摘される方が増えてきた」
ということを指摘されており、これは日本に限らず世界各国に共通の傾向のようです。
そして、利上げを「正常化」と呼ぶメディア企業らしい言葉のチョイスと表していました。
そういうメディアだから、こういうコメンテーターが・・・毎朝録画してチェックしている私も物好きですが。
有り難うございました。