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出遅れおじさんです。
先週木曜日(5月25日)久しぶりに米ドルが140円台に乗せました。
2022年11月以来とのことです。
昨日の週間報告でもご紹介しましたが、米国株は債務上限問題で今ひとつ元気はありませんが、NASDAQ市場は金利上昇の頭打ち感を予測したのか多少復調の兆しです。
結局、米国株式資産の含み益は、前月(4月)末との対比では、株価上昇(+42%)よりも為替影響(+58%)の方が大きく効いています。
植田新日銀総裁が初回となる4月の政策決定会合で緩和策の継続を打ち出したことから、「悪い円安」論が再勃発かと思いきや、まるでそれに先んじるように一週間前の5月21日付け記事
で、なんと「消えた『悪い円安』」と来ました!! (有料・登録会員限定です)
あたかも、世の中に充ち満ちていた「悪い円安」が潮が引くように消え去ったかのような、人ごとのような記事になっていますが、
「悪い円安」を煽っていたのは、テメエら自身じぇねえか!
と声を大にして言いたいと思います。
まるで、アリバイ作りのように、輸出入物価の対前月比の比較推移を表示していますが、「悪い円安」が消えた大きな理由として、輸入物価より、輸出物価が上回ったことにより、企業業績が改善したということを上げています。
なぜですか? 日経新聞さん!
これまで、輸入物価>輸出物価 だったのは単に資源価格が高かったからですよね!
直近、資源価格が下がったので、輸入物価<輸出物価 に戻っただけではないですか?
そんなもの、最初っからわかりきったことでしょう。
エネルギー価格に高騰騒ぎ(ロシアのウクライナ侵攻の1年近く前からその兆候はありました)の時、為替の円安の影響より原油高の影響の方が遙かに大きいことは、電卓たたかなくても感覚的にわかりませんか?
グラフのスタートの2021年1月と輸出入物価のピークである2022年6月の為替と原油価格の比較は以下の通りです。
21年1月初 103.2円/$ 48$/BBL
22年6月初 128.6円/$ 121$/BBL
この間、円建ての原油価格は4,953円/BBLから15.560$/BBLまで3.14倍になっていますが、為替の影響は1.24倍(+24%)、原油高の影響は2.5倍(+150%)です。
時期は定かではありませんが、日本放送の「OK! Cozyup!」のゲストコメンテーター、明治大学教授の飯田泰之氏が、
「エネルギー価格高騰の影響の中で、為替の影響は1/6くらいしかないのに、なぜ円安が悪い、円安が悪い、と騒ぐのか」
と、仰っていましたが、原油価格上昇のうちの為替による上昇率(%)の影響はその程度です。
日経新聞が「悪い円安」をあおり立てた理由は、ものすごくうがった見方を許していただければ、
・黒田総裁の緩和路線は終わらせたい
(YCCによって市場がゆがめられている、というが債券ディーラーが困っているだけ)
・緩和の影響として、円安で輸入物価(とりわけエネルギー価格)が大きく上昇
(上記のように原油価格影響の方が遙かに大)
・国民生活や企業活動にも悪影響→「円安が諸悪の根源」
系列のテレ東の「モーサテ」でも、
・円安で国家の格が下がるとコメンテーターが訴え
・21年度末の資金還流(海外子会社の利益の送金)が史上最高などという不都合なニュースではキャスターが露骨に顔をしかめ
・あげくに、円安のためニューヨークの駐在員が豚骨ラーメンすら食べられないと嘆く
(海外のラーメン人気に乗じての強気な値付けのせいだろ!)
等々、同調してきました。
そして、いざ、原油価格が落ち着いて企業決算が好調となると、消えた「悪い円安」?
単にごまかしがきかなくなってきただけだろ!
中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国と同じで「経済」という名前が体を表していないといったら言い過ぎでしょうか。
有り難うございました。