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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日(7月12日)のモーサテの番組タイトル「クルーグマンからの手紙」(新聞の番組表は別タイトル)からして・・・どんな内容?と気になります。
近年の米国のノーベル経済学賞受賞者の中でも、ジョセフスティグリッツ(2001年)、ポールクルーグマン(2008年)、ベンバーナンキ(2022年)ら三氏はいわゆるリフレ派経済学者で、イエール大学名誉教授浜田宏一氏らとともにアベノミクスの理論的支柱と言われています。
昨年、バーナンキ氏が受賞した折、WBSやモーサテ(日経はチェックしていませんが同様と思います)はいずれも「異例」の受賞と紹介するなど「嬉しくない」ムード一色でした。
ツイッターには「経済学賞」はノーベルの遺言にないから正規のノーベル賞ではないと腐す輩まで現れる始末でした。
当時の安倍官邸関係者が仕掛けたと思われますが、消費税引き上げを審議していた190回国会(2016年1月~6月)に参考人としてスティグリッツ氏、クルーグマン氏を招き「消費税を上げるんじゃネエ!」と言わしめましたが、財務省は「ガン無視」、当時マスコミにも箝口令が布かれたと言われ、殆ど話題にもなりませんでした。
そんな中で当番組がクルーグマンを取り上げるとなると期待が盛り上がります。
(まさかネガティブな扱いでは無いとは思いますが・・・)
プロの眼のゲストはフィディリティ投信の重見吉徳氏です。
先にネタばらしをしますと、重見氏は本日付のフィディリティ投信殿サイトでクルーグマンからの手紙の解説レポートを上げてくださっています。
また、このレポート内でもクルーグマン氏の手紙の原文(NYTの記事)のリンクはありますが、以下のサイトです。
番組内で重見氏が紹介したクルーグマンの手紙の主旨は、なかなか正鵠を射た内容でした。
・本当に2%のインフレ目標を達成しても、財政再建等緊縮政策に舵を切るんじゃネエ
(緊縮したい気持ちを「臆病の罠」と呼んでいます)
・一気に景気は減速し取り返しの付かない事態になる
「よくぞ、この番組でこれを言った!」
と、言いたい気持ちです
プロの眼のコーナーの中でも相内キャスターが愛くるしい満面の笑みで「次回の金融政策決定会合でYCCの見直しも予想されていますが・・・」と空恐ろしいことを口走りましたが、重見氏はぶれませんでした。
そして追い打ちをかけるように、後の「今日の経済視点」のコーナーで寺尾聰氏の「ルビーの指輪」の歌詞を持ち出して、「無くしてその大切さが分かる」と警鐘を鳴らしました。
このクルーグマンの手紙が公表されたのは2015年9月と言うことですから、消費税率が5→8%に上げられた翌年です。
そのタイミングでこの手紙はまさに慧眼というしかありません。
しかしそのクルーグマンの警鐘をガン無視するかのように2019年にさらに10%に上げられました。
ザイム真理教の皆さんには都合の悪い提言だったのでしょう。
有り難うございました。