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出遅れおじさんです。
日ごろから「悪い円安教」の総本山だとか、悪し様に言っている日本経済新聞ですが、論説委員の滝田洋一氏だけは仰っていることがまともに思えますし、購読している「日経マネー」誌の連載コラムも欠かさず愛読しています。
滝田氏が昨夜というか日付が変わって今日(1月25日)、イールドカーブのゆがみが解消したと以下の内容をツイートしました。
滝田氏のツイートに貼られた数表は、財務省公表の数表らしく今年に入って1月4日から23日までの日々の各年限毎の国債利率が表示されています。
全部グラフにしても見難いので、年初(4日 黒) 、中間点(13日 緑)、直近(23日 赤)の3本だけをグラフにしました。横軸は年限、縦軸は利率です。
上のグラフは40年モノまですべての金利を表示、下のグラフは15年までを拡大表示しました。
17日18日の政策決定会合で日銀が「日和る」とみた投機筋の売り浴びせにより各年限の金利は上昇気味で、日銀の買い支えにより10年債だけ低利という歪な状況で、13日の断面(緑線)が一番歪んでいると思われます。
ところが一転23日(赤線)には全体に金利が下がって、10年の所だけ低いと言うゆがみが解消(まだ若干踊り場的ですが)されました。
滝田氏のツイートにもありますし、日銀のリリース資料
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230118a.pdf
にもシレッと一行ありますが、政策決定会合で決定した「共通担保オペ」を23日に初めて実施したとのことです。
「共通担保オペ」とは各銀行が日銀に預けている当座預金等を担保に低利で銀行に融資し国債を購入させるという、国内全行で買いオペにばく進するというスキームです。
当然日銀の貸出金利は国債利回り以下ですので、各銀行は金利差丸儲けです。
「ズルイ!」
と言えなくもありませんが、
「もう暫く低金利で行くんで各行には迷惑を掛けるが、これで黙ってろ」
と言うニュアンスでしょう。
滝田氏も、興味なさげに口をつぐんだ有識者だとか、「円安尾張守」だとか煽りは絶好調です。
もともと何かにつけて「北欧では・・・」とご高説を垂れる「出羽守」という表現はありましたが、「尾張守」と言う表現は今回初めて見ました。
「しかし、滝田さん!」
さんざん揶揄している、妙に静かな識者や「円安尾張守」、「緩和尾張守」って日経新聞の主流ではありません?
かって「朝日新聞唯一の良心(決して随一ではないところがミソ)」と言われた峰村健司氏や、東京新聞の中で孤軍奮闘した長谷川幸洋氏のように社を去ることにならないようお祈り申し上げます。
有り難うございました。