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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに移動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
ここ暫く日米ともに株式相場は勢いがありません。
以前、ジジイギャグで表現しましたが、低迷の原因の一つはオミクロン株への懸念と、もう一つはFRBの金融引き締めに対する懸念です。
私はやはり低迷の原因はオミクロン株よりも、インフレは一時的と主張してきた「火消しおじさん(出遅れおじさん命名)」ことパウエル議長が再任濃厚になったとたん前言を撤回してタカ派に転じ、テーパリングの加速と利上げの前倒し観測が出てきた事が影響していると確信しています。
以降パウエル氏を「手のひら返しおじさん」と呼びたいと思います。
そんな中、週明け本日(12月6日)のモーサテ「プロの眼」のコーナーは、三菱UFJモルガンスタンレー証券の藤戸則弘氏で、テーマは「FRBの利上げと株高は共存可能か」です。
何時もながら放送内容を紹介する前にコメンテーターを評するのは如何かとは思いますが、今まで藤戸氏のコメントに余り同意したことはありませんでした。
過去の記事
でもやや失礼ながら批判的に取り上げました。
今回の藤戸氏の主張は以下の通りです。
・パウエル氏のタカ派発言で悲観論が溢れているがそんなことは無い。
・過去には成功した利上げもある。
ということで、藤戸氏が失敗の事例として挙げたのが、「後追い利上げ」で、第二次オイルショック後のインフレ期に政財界の突き上げに屈して十分利上げできなかった前任の後を継いだボーカー議長がとった急速な利上げ利下げの金融政策で、結果として米国経済はリセッションに陥った事でした。
逆に、リーマンショックの回復期のイエレン議長(現財務長官)を引き継いだパウエル議長による「先行型利上げ」で、経済状況は急速に回復し、利上げ局面にもかかわらず株式市場は好況となった事例がある、とのことでした。
藤戸氏によれば、今回のコロナショック回復期のテーパリングは「先行型」に近いので悲歌することは無いという事でした。
私個人としては珍しく藤戸氏の意見に賛同しました。
勿論、大変失礼な言い方ながら、以下の点は考慮する必要があるでしょう。
・タカ派的指向の藤戸氏は引き締めを正当化したい。
・証券会社の立場として、「上昇」雰囲気を醸し出したい。
さらに例としてあげた、二つの事例には以下の明確な条件差があると考えております。
・オイルショックは経済全体への構造的衝撃が大きかった
・リーマンショックは金融業界の問題であって、経済全体を構造的に破壊するものでは無かった。
従って、藤戸氏の言うように今回の引き締め転換を楽観的に捕らえることには一抹の不安もあります。
でも、「そうであって欲しい」という強い気持ちはあります。
これって「正常性バイアス」そのものですよね。
有り難うございました。