出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

坊主憎ければ・・(続)アビガンを取り巻くハナシ

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出遅れおじさんです。

 

  昨日の記事の続きで、アビガンを取り巻く状況を紹介したいと思います。

 

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ファビピラビル(アビガン) ウィキペディアより引用

 安倍前首相の当初の意気込みに反して、なかなか治験が見込み通り進まなかったことは事実で、5月中旬以降陽性者そのものが激減していたことも理由の一つです。

 そもそも治験がなかなか進まないことを、アビガンの有効性の否定と結びつけて否定的に論じる向きもあったようでしたが、これは全く的外れと言わざるを得ません。

 いま一つ治験がなかなか進まなかった原因は、特に初期の段階で治験に参加を承認する方自体が少なかったと言うことです。

 承認前の治療薬を患者に投薬する方法は二つあります。

 一つは「観察研究」です。平たく言えばその薬を投与された患者がどうなるか観察するのが目的です。

 二つ目は「治験」です。その薬が本当に治癒の効果があるか検証すること、即ち症状が改善したのがその治療薬の効果か、本人の免疫によるものかをきちんと峻別出来ることが求められます。

 具体的には患者の立場で、投与前に「研究開発」を承認するなら、極論すれば効かないどころか悪影響もあり得る事を承認する必要があります。「治験」を承認するなら、それに加えて、ある確率で「ニセ薬」を投与される可能性がある事を承認する必要があります。これはプラセボ効果(砂糖や小麦粉でも有効な薬と思って服用すると症状が改善すること)を排除するためです。

 昨日の記事で紹介した藤田医科大学の治験は、さすがに全く投与しないという事ではなく投与を5日程度遅らせると言うことで優位差を見いだそうとしていたようです。

 コロナウイルスによる感染者何人・死者何人という不安を煽るだけの報道の中で、いざ自分がコロナウイルスに感染・発症し人工呼吸器を装着された立場になって見てください。

 藁にも縋りたい患者からしてみれば、地獄に表れた天使のようなお医者さんから、「このアビガンの治験に協力頂けませんか? ウン%の確立でニセ薬を投与するかもしれませんが」と言われたらどれくらいの人が承諾するでしょうか。

 かなり早い段階でアビガンの有効性は取りざたされていましたので、患者の立場からすれば「ニセ薬なんて要らネエ! ゴタゴタ言わずに早くアビガン飲ませろ!」といいたい気持ちはよくわかります。

 著名人で感染された方の多くがアビガンで治癒されたと公言されていますが、多くは観察研究で投与されたと拝察されます。ただし、決して上記のような下品きわまりない物言いをされたわけでは無いことは申し添えさせて頂きます。

 赤江珠緒さんもアビガンを観察研究で投与されたことを公表されていますが、たまたま入院した病院がアビガンの観察研究に参加していたからとのことです。

 

 もう一つのアビガンを取り巻く悪評は、サリドマイドを上まわる催奇性と言われる副作用です。RNAに直に作用する薬品ですから催奇性があるのは頷けます。

 しかしどこから来たのか、一旦アビガンを服用すると一生奇形性が残るという根も葉もない噂があったとのことです。

 もちろんアビガンは妊婦さんには投与できないし、妊娠していなくても男女ともに投与後一週間は性交渉を避けるよう富士フイルム富山薬品も注意しているようです。一週間程度で体外に排出されるとのことです。

 このあたりの経緯等は赤江珠緖さん自身がラジオ番組にメールを寄せて発言(むしろ啓発)されていますし、以下の「日刊スポーツ」紙にも紹介されています。

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202005130000018.html

 

 後は、いろいろな薬害訴訟で何度も煮え湯を飲まされた厚生労働省が承認を先送りしないことを願いたいと思います。

 

 してコロナウイルスに関しては、ワクチン開発を初めとした予防体制の確立と治療体制の充実によって一日も早い日常生活の回復と経済活動の再活性化を望みたいと思います。

 

有り難うございました。