出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

坊主憎ければ・・アビガンを取り巻くハナシ

当ブログをご訪問頂きまして大変有難うございます。

出遅れおじさんです。

 

 10月16日富士フイルムホールディングス(4901)は、子会社 富士フイルム富山化学株式会社が開発した「アビガン(ファビピラビル)」を新型コロナ(COVID-19)の治療薬として製造販売の承認申請を行いました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65073070W0A011C2XB0000/

 日本国内では「レムデシビル」「デキサメタゾン」に続く3例目、国内製造の治療薬としては初めての承認を目指すとのことです。早期の承認を期待したいと思います。

 

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Yahoo Finance 殿より引用

 イヤー、長い道のりでした。

 アビガンに関しては薬そのものの評価とは全く別に、「アビガンの早期承認」を公言した安倍晋三前首相に対する反発がアビガンに対する悪評に繋がっているといっても過言ではありません。まさに「坊主憎ければ袈裟まで憎い」以外の何者でもありません。

 その最たるものは藤田医科大学の中間解析結果報告を報道した5月19日付けの共同通信「治療薬アビガン、有効性示せず 月内承認『前のめり』指摘」という有名な誤報でしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1f233e6c59a644bf39963f83db19de5af70e3c10

 産経新聞他この共同通信誤報問題(?) を解説した記事を総合すると、複数の関係者は中間解析結果には有効性があると書かれていないと証言しているとのことでそう言う意味では誤報とは言いがたいのですが、共同通信の記事に驚いた藤田医科大学が翌20日に声明を公表し記者会見を行いました。

 驚くべき事に、「中間解析結果」は今後治験を中断せざるを得ない安全面での問題があるか否かを報告することが目的であり、有効性について報告するものでは無いとのことですので有効性の有無について記載があろうはずがありません。

 有効性についての記載が無い(必要が無い)

  ⇒有効性が示されなかった

  ⇒効果が無い

見事なこじつけです。

 

 その後も、7月10日付けでまたもや共同通信は藤井医科大が「アビガン研究、有効性示されず」と報じました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/429269bc57c3396c732e732afa01cdf302a9a0f3

 富士フイルムの株価は7月中旬には4,600円近くまで一時低迷しました。

 遅ればせながら、出遅れおじさんも7月10日付けで藤田医科大学の最終報告(上記共同通信が報じたもの)を読んでみました。

https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000006eya.html

 A4 1~2頁程度なので簡単に読めますが、結論は有効であるが統計的有意差が得られるほど件数が得られなかったと言うことです。藤田医科大学の研究代表の土井教授は「有効性が無いとは一度も言っていない」と後日プレジデント誌(9月19日付)のインタビューに答えています。

 

 さすがに当時の5月中に承認という安倍前首相の意気込みには無理があったと思いますが、もともとダイッ嫌いな安倍前首相を批判するためにここまで事実をねじ曲げてアビガンの効果を否定するか? 空恐ろしいものすら感じます。

 

 8月下旬以降チョロチョロとアビガン承認申請と言う情報が漏れ出したのか、富士フイルム株価は5,000円台を回復し、今回の申請報道で急速に上昇しつつあります。

 

 いつもながら、予めお断りすべき事が最後になりましたが、私は富士フイルムの関係者ではありません。

 株主である事は否定しませんが。

 

有り難うございました。