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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
さらにお断りさせて頂きますが、私は日銀プロパーの方々を決して頭から「反緩和主義者(緊縮派)」だとか、「円安嫌悪派」だとか決めつけているわけではありません。
本日(9月5日)のモーサテ「プロの眼」のコメンテーターは楽天経済研究所の愛宕伸康氏で、テーマは「日銀の利上げは合理的か」でした。
私は常に同番組を追っかけ再生で見ています。
録画リストの番組内容にはプロの眼のテーマが出ていましたが、テーマからして「日銀の利上げ姿勢に批判的であるに違いない」と勝手に決めつけて、誰がプロの眼を・・・と訝しく感じていました。
ゲストの愛宕氏も福岡FGの佐々木融氏も日銀プロパー出身だし、まさか日銀出身者を二人並べて、NYから中継解説のホリコキャピタルマネジメントの堀古英司氏が「毒舌」を放つ?
それはそれで面白い!と期待しましたが、プロの眼の解説は愛宕氏でした。
予め申し上げますが、愛宕氏の解説がこんなにスンナリと腑に落ちるとは予想だにしませんでした。
愛宕氏は7月の決定会合の声明文、
「展望レポートで示した経済・物価の見通しが実現するとすれば、それに応じて引き続き政策金利を上げ金融緩和の度合いを調整していく」
を掲げ、その見通しの「実現」の度合いを分析しました。
まず、消費者物価指数のコアコアCPI(生鮮食品とエネルギー除く)と、「財」と「サービス」の7月実績を上げ、何れも2%以下で、特に賃金の上昇がダイレクトに反映される「サービス」は対前年1.4%しか上昇していない、と指摘しました。
さらに、日銀が基調的なインフレ率を補足する貯めに用いている、「最頻値」、「刈り込み平均値(上下10%を除外)」、「加重中央値」の推移を示した、加重中央値は1.1%に過ぎない、と、何れも「2%の安定にはほど遠い」との認識でした。
愛宕氏は、対前年同月ばかりでは無く、もう少し長いトレンドをと言うことで2013年3月(ほぼアベノミクス初期)からのトレンドで、「公共サービス」や「持ち家の帰属家賃」等ずっと停滞しているものもあり、これらを「アンカーグループ」と定義しました。
(全体の30%以上を占めています)
さらに長期のトレンドで1980年以降を示し、1997年までは所定内賃金の上昇に押される形で「アンカーグループ」も上昇してきましたが、1997年以降賃金の停滞とともに、長期の停滞に入ったとのことで、強力な所定内賃金の上昇が無ければ物価の安定上昇はない(暗にしばらくは利上げは無い)と明確に結論づけました。
ただ、愛宕氏の説明で引っかかるところが・・・
その1997年以降何があったのか。
このころ愛宕氏が言うようにバブル崩壊の後遺症としての金融危機があったのは確かですが、そもそもが金融緩和が後手後手に回った日銀の失策によるものでは・・・と指摘する方も多いですが、そこは華麗にスルーしました。
有り難うございました。