出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

ワクチン効果・・・大阪府の公表に敬意を表して検証

当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。

出遅れおじさんです。

 

 昨日の続きで、大阪府が公表したワクチンの効果をご紹介したいと思います。

 (今日は細かい数字の説明中心です)

 

 大阪府の公表の要旨は以下の通りです

・調査対象    85,325人

(2021年3月1日から8月15日までに確認された陽性者)

・ワクチン未接種 83,207人(不明者含む)

  重症化     1,984人

  死亡者     1,557人

 

・ワクチン未完了  1,801人(1回接種済~2回接種後14日未満)

  重症化      31人

  死亡者      18人

 

・ワクチン接種完了  317人(2回接種後14日以上経過)

  重症化       0人

  死亡者       0人

 

【注記】

・「ワクチン未完了」「ワクチン接種完了」は私の創った用語です。括弧内の定義に該当する方です。

大阪府の公表を受けた報道の限りでは、「重症者」と「死亡者」の包含関係が判りません。

・「重症者」とは重症化するも改善、快気した方の数と推定しています。

・「死亡者」とは純粋に陽性者で亡くなった方の数と推定しています。

 

 単純に数だけ見ると大幅に陽性者が減っているように見えますが、多少面倒ですが母数の検証が必要です。

 3月1日から8月15日までの5.5ヶ月の全期間を通じて、接種完了者の割合がいくらかだったのか推定します。

 大阪府のホームページには、1回目接種済み、2回目接種済みの対人口割合がグラフで公開されています。

 およそ、6月初めから2回接種完了者がでてきて、7月末までに約28%が2回目接種完了しています。(この間リニアに増加すると仮定するしか有りません)

 8月15日の段階で「接種完了」した方は7月末までに2回目接種が完了しているはずです。

 下のグラフのように考えれば全期間を通じて平均して5.1%のかたが接種を完了していたと考えるのが妥当だと思います。

 

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期間を通じての平均割合の考え方

【ご参考】

・6月~7月の平均 :28%✕1/2=14%

・全期間の平均  :14%✕2ヶ月/5ヶ月半=5.1%

 

 陽性率の改善を推定するには、

・期間中の全人口の5.1%から発生した陽性者は 317人

・  〃     94.9%   〃      85,008人(83,207+1,801人) 

 

 接種完了者が未接種或いは接種未完了のかたと同じ人数と仮定すれば、接種完了者から陽性者は5,898人(=317✕94.9/5.1)となるはずです。

 陽性化率は5,898/85,008=6.9%に低下、ワクチンの有効性は93.1%となりますのでファイザー社やモデルナ社が当初から主張していた値にほぼ近いと評価できます。

 細かいことを言うと、接種完了が進んだ段階で陽性者が激増していますので、ワクチンの効果はさらに高いと評価することも出来ますが、ワクチンの完全接種が済んでも8.5万人が6千人に減少するレベルなので、マスク等通常の感染防止策は不可欠であると思います。

 

 同様に317人の陽性者から重症者はもとより「死亡者 ゼロ!」というのはまるで「東京MER」の工藤美桜さんの台詞のような言い方ですが、N数が300程度と少ないのでワクチンの重症化予防効果が「万能」と過信すべきでは無いと思います。

 ワクチン未接種の方でも重症化または亡くなる方は4.3%です。

 

 ただ、これだけワクチンの効果があるのですから、政府はきちんとデータを公開し、ある程度の接種完了と最低限の感染防止対策を条件に経済活動の再開に舵を切って欲しいと思います。

 

有り難うございました。