出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

8月の消費者物価指数公表・・・緊縮指向かと思われた植田総裁も慎重化?

当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。

出遅れおじさんです。

 

 8月の消費者物価指数が公表されました。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

 CPI総合は対前年比+3.2%、生鮮食品を除いたコア指数も+3.1%の増となり、ほぼ膠着状態です。

 生鮮食品・エネルギーを除いたコアコアCPIは対前年同月比+4.3%となり、2月以降総合指数とコアCPI逆転、全体に上昇基調にありましたが、こちらも膠着した状態です。

 政府の支援等によって電気代等の「エネルギー」が低下したことが効いているようです。

 

 食料品(アルコール除く)・エネルギーを除いた欧米式コアCPIは対前年同月比+2.7%の上昇となり、これも変化なしでした。

 

 昨年年初来の各指標の推移をグラフにしました。

CPIの推移



 言うまでも有りませんが、

・CPI総合   :すべての価格の平均

・コアCPI   :生鮮食品を除く価格の平均

・コアコアCPI :生鮮食品・エネルギーを除く価格の平均

・欧米式コアCPI:飲食品・エネルギーを除く価格の平均

 です。

 

 何時も私が参照させて頂いている、PwCコンサルティングの片岡剛士氏(元日銀政策審議委員)が物価上昇率を財とサービスに分離してグラフにまとめてくださっています。

PwCコンサルティング殿サイトより

PwCコンサルティング殿サイトより





 財の寄与度は縮小傾向が続いており、電気・ガス・水道の寄与度が大きくマイナスとなっています。

 一方サービスの寄与度は7月と殆ど変化なく0.99%水準です。

 私個人としては7月から急に通信費(携帯料金)がプラスに寄与し始めたのが気になっています。

 併せて、外食費の寄与度がじり貧で下落しているようにも見えるのも気になります。

 

 奇しくも本日東京市場の取引時間終了後に日銀の政策決定会合を終えての植田総裁の会見がありました。

 

 利上げを「正常化」と呼ぶほど緊縮好きのマスコミの皆さんの淡い期待を打ち砕くように、政策修正時期については「決め打ちは到底できない」「粘り強く金融緩和を続けていく」という何ともハシゴ外しの無慈悲な発言がありました。

 以前は「年内に確証・・・」なんて仰っていませんでしたっけ。

 マスコミの飛ばしだったんでしたっけ。

 

 来年の春闘も本年並み上昇が読めて安定的な物価上昇が見込めるのではないでしょうか。

 年内ですと翌年度の春闘の要求が漸く見えてくる段間ですので、いささか気が早いのではと思いましたが。

 

 私が当ブログで唱えてきたように、

物価上昇

 →企業収益向上

 →給与上昇

 →消費拡大

 →物価上昇

 の好循環が実現出来て、初めて「安定的」な物価上昇が実現できますので、今回の春闘の成果に期待したいと思います。

 サラリーマン時代の感覚から言えば、春闘の成果が給与に現れるのは6月からですので、消費者物価指数が落ち着いてしまったと言うことは春闘の成果がそれなりにあったということでしょうか。

 それとも頭打ちされてじり貧に陥ってしまうのでしょうか。

 

 これまでも言ってきていますように、上記のサイクルは放置すれば縮小均衡に陥ってしまいます。

 物価上昇>賃金上昇

 の状態は、単に貯蓄を食いつぶしているのと同じ状態です。

 

有り難うございました。