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出遅れおじさんです。
スターアジア不動産投資法人(3468 以下スターアジアR)より分配金をいただきました。
スターアジアRは、2020年8月1日付けでさくら総合リートに敵対的買収を仕掛けて成功しました。
旧来のスターアジアRはオフィス、住居、ホテル等を中心とした総合型リートで、一方のさくら総合リートは首都圏、特に都心部のオフィス、住居、商業施設等を中心とした総合型リートです。
従って、買収によってアセットタイプはやや分散し、ロケーション配分はやや首都圏・都心部に重心が移った状況ですので、買収としては上手く行ったのではないでしょうか。
同法人の買収騒動については東洋経済の一井純氏が、
の記事で、非常に判りやすく纏めてくださっています。
合併後の分配金の実績及び今後の見通しは以下の通りです。
21年7月期 1,462円
22年1月期 1,478円
22年7月期 1,476円(今期)
23年1月期 1,476円(予想)
23年7月期 1,485円(予想)
「ナンデ、同じような金額が・・・」
言うまでも有りません、同法人は分配金の安定化のために内部留保財源を取り崩して分配しています。
具体的には、今期(22年7月期)の本来の純利益額相当の分配金と内部留保取崩額は、
純利相当 取崩 分配額
・当初予想 1,397円 + 79円 = 1,476円
・今回実績 1,430円 + 46円 = 1,476円
と言う状況です。
来期以降については
23年1月期 1,397円 + 79円 = 1,476円
23年7月期 1,439円 + 46円 = 1,485円
と言う予想になっていて、23年7月期以降1,485円の分配を継続するとしています。
不動産投資法人(REIT)に少し詳しい方なら、純利益を90%以上分配しなければならないREITで、なんでソンナコトが可能なのかと疑問に思うでしょうが、それはさくら総合リートを買収したときの「負ののれん代」によるものです。
簿記をやった方はお判りでしょうが、企業買収をしたとき買収金額より実際の資産等の評価額が安ければ差額は「のれん代」として無形固定資産に計上されます。
逆に、買収金額より資産が高ければ「負ののれん代」として特別利益として計上されます。
スターアジアRの内部留保はこの「負ののれん代」に他なりません。
それも今7月末時点で88億円も残高があります。
言い換えれば、さくら総合リート(資産規模500億円レベル)は2割近く安く買いたたかれたということになります。
スターアジアRの毎期の純利益は25億円規模ですので、3期(1年半)分の純利益が留保されており、上記のように来々期以降分配金増額を謳っているように、「間違いなく」しばらくは安定した分配が頂けることになりますので、投資口価格もさぞや安泰・・・とは行きません。
他のリート同様、年明け以降投資口価格はジリ貧です。
今期の分配金(内部留保活用含む)による利回りは、5.4%です。
潤沢なフリーキャッシュが手元にあれば「買い」なんですけどね。
言うまでも有りませんが、投資は自己責任でお願いします。
有り難うございました。