当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。
出遅れおじさんです。
申しわけありませんが、本日も古新聞的記事です。
リフォーム工事期間中に録り溜めしていた「モーサテ」を早送りしながら眺めていて気づいたネタなので【モーサテ日記】と名付けたいところですが、何時の放送で、誰のコメントであったか記憶が定かで無いので失礼します。
マーケット関係者としてコメンテーター氏が非常に岸田ソーリの経済政策がマーケットに与える影響について憂う理由として挙げたのが、岸田ソーリの「新しい資本主義」のネタ元と言われる、アライアンス・フォーラム会長の原丈人氏のブルーンバーグでのインタビューとのことでした。(2月10日のニュースです)
原氏の言うことで賛同できる部分もあります。
「公共投資は無駄」
「過大な負債による破綻危機」
というプロパガンダへの明確な反対姿勢はまさに仰るとおりです。
ただ、今回のブルーンバーグのインタビューはツッコミ不足で、「何故?」という問いかけが余りにも不足している印象ですし、原氏の主張は、私如きの素人の経済感覚から見ても首をかしげたくなるような内容です。
【四半期開示の見直し】
原氏は四半期決算で業績を上げるというプレッシャーで多くの経営者が短期志向になると述べられていますが、それは制度の問題では無く、経営者の問題では無いのでしょうか。
米国発の四半期開示が経営者の長期的戦略思考を萎縮させているなら、日本より米国の成長率が高いのは何故か。疑問に感じないのでしょうか。
勿論、米国の方が我が国に比べて規制が少なく企業活動への足かせが少ないという環境の差がある事は否定しません。
しかし米国の企業の方が成長力を保てているのは、企業経営の高い透明性による、投資資金の調達では無いでしょうか。
その為の四半期開示なのでは無いでしょうか。
中国株に投資されている皆様には申し訳ない言い方で恐縮ですが、巨大なマーケット故の市場の成長性が有るからこそ、資金を投じる方もいるのでしょうが、私個人は良くもあんな経営情報の開示の無い企業に投資できるものだと思わざるを得ません。
【自社株買い規制】
原氏は頭から自社株買いは資本主義の原則に反する、と決めつけていますが、理由については全く触れられていません。
我が国でも旧「商法」の時代は禁止されてきた、と述べられています。
確かに2001年の商法改正により目的を定めない「金庫株」の取得・保有が認められるようになりましたが、それ以前も「消却」の為の自社株買いは禁止されていなかったと記憶しています。
また、ドイツでは自社株買いは禁止されていると主張されていますが、
ドイツ銀行は、一時の経営状態から回復できたようで、配当を再開、3億ユーロの自社株買いを実施することとしたようです。
【成長と分配】
まず分配ありきでは、◯産党や△憲民□党と主張が変わらないような気がします。
アベノミクスを批判する方は多いですが、成長があってこそ、雇用者数の増大や、相対的貧困率の低減が図れたことを忘れてはいけません。
【公益資本主義】
いちいち反論するのも、嫌になってきました。
配当と給与の不公平な分配をフェアにすると主張されていますが、昨日の
で、ご紹介した、広木氏の指摘のように、
「給料が上がれば働く意欲が湧く」のでは無く「働く意欲が湧けば業績が上がり、給与が上がる」のでは無いでしょうか。
原氏は、「公益資本主義」について2016年に国会で話題になっており、当時の安倍総理が「大変魅力的な考え方」と答弁し、「成長と分配の好循環」を明記しつつも岸田政権ほど前面に押し出すことは無かったと述べられていますが、岸田氏が前面に出しているのは、「成長より分配」であって、これが市場から評価されていない最大の理由では無いでしょうか。
国際的な基準で投資家の意欲を惹かない社会はガラパゴス化を招くだけと思います。
有り難うございました。