出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

(続々)「脱株主資本主義」?・・・賃金の上昇を阻むものは誰か? <記事修正>

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出遅れおじさんです。

 

【モーサテ日記 プチ】・・・井出氏の言うとおりなのですが・・・

 本日12月17日のモーサテ日記ゲスト ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の「プロの眼」は、「岸田ショック2.0」でした。

 言うまでもなく1.0は「金融所得課税見直し」、2.0は先日来取り上げている「自社株買い規制」です。

 立憲民主党の落合議員(井出氏は紳士的に実名は言及せず)は「米国も自社株買い規制」と主張していましたが、大統領選挙戦でのバーニサンダース候補(相当な左よりのかた)が唱えていたもので、一部企業経営者のストックオプションの付加価値向上のための自社株買いを批判していたものであり、日本に適用するレベルの話では無いとのこと。

 岸田総理も次回はきっぱりと否定して欲しい、とのことでした。

 

 それが期待できないから、一昨日の記事

deokureojisan.hatenablog.com

 で引導を渡したのですが・・・

 

1.アベノミクスの成果

 アベノミクスについては、安倍元総理の保守的な物言いに対する反発がまず有り、否定的に論じられることが多いですが、私は評価しています。

 何故、万人が納得できる成果が出せなかったのかについては、アベノミクス3本の矢のうち、第一の矢「金融緩和」のみしか打てず、第二の矢「財政支出財務省の抵抗によって不完全燃焼に終わりました、

 一番批判される、第三の矢「成長戦略」については、半導体やディスプレイ事業を見ても判るように、政府が提起・推進する成長戦略が上手く行くはずがないと言う前提で考える必要があります。

 政府に求められているのは、民間が自由に活動できる「規制改革」です。

 しかし、獣医学部一つ作ろうにも、既得権益者の獣医学会と文科官僚、さらにはこれに追従するマスコミ・野党によって火の無いところにも煙を立てて袋だたきにする始末です。

 

 第一の矢金融緩和による株価上昇以外で最大の成果は「就業者数」の増加です。

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就業者数推移(厚生労働省平成29年版「労働経済の分析」より)



 このグラフは就業者数・就業率の推移で、2013年以降明らかに就業者数・率は上昇に転じています。

 

 一方、アベノミクスでも全く賃金が上昇していない、増えたのは非正規ばかりと言う批判はあります。

 下のグラフは、正規雇用者、非正規雇用者のグラフです。総数は上記の「就業者」から自営業を引いたものです。

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雇用者数推移(厚生労働省サイトより)



 安倍政権発足直後の2014年まではリーマンショックの余韻で正規雇用は減少傾向でしたが、2015年からは人材不足感が強まり、正社員としての囲い込みが始まったので正規雇用の方が増加量が多くなりました。

 

 本来、正規雇用を希望したにもかかわらず非正規に甘んじている方々、所謂不本意正規雇用の人数と比率は下のグラフの通りで明らかに低下しその比率は非正規雇用の10%近くまで低下してきています。

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不本意非正規労働者数及び比率推移(厚生労働省サイトより)



2.賃金上昇を阻むもの

 では何故平均賃金が上がらないか?

 

 単純には、正規にしろ、非正規にしろ、雇用増加の初期段階では「ニューカマー効果」といって全体の平均賃金は低下傾向となることが知られています。

 しかし、今まで職を得られていなかった方が働くようになれば、全体の所得はかさ上げされアベノミクス以降の相対的貧困率は下のグラフのように2012年以降低下傾向にあります。

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相対的貧困率推移(hinkonstatサイトより)



 

 本来なら、その次のステップとして、人手不足感が強くなると人材確保の為に賃金は上昇し始めます。

 そして消費が活発化し、賃金上昇の好循環が生まれるはずなのです。

 

 しかし、残念なことにそこに「冷や水」をぶっかけるような行為が有りました。

 下のグラフは、ここ15年の消費総合指数の推移ですが、明らかに2回大きく下落しているポイントがありますが、「消費税の増税」です。

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消費総合指数推移(関東塗料工業組合サイトより引用)


 

 

 経済活性化の好循環を断ち切った元凶は「消費税の増税」なのです。

 

 即ち、国民の所得の上昇という好循環を断ち切っているのは「消費税の増税」を主導した 財務相 財務省以外の何者でもありません。

  (失礼しました。記事修正します。)

 

 

有り難うございました。