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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日(11月28日)のモーサテ「プロの眼」の解説ゲストは番組初登場となるゴールドマンサックスの太田知宏氏で、テーマは「財政の健全性は大丈夫か?」でした。
勿論初登場の方を色眼鏡見ることは慎まなければなりませんが、この番組のゲストでこのテーマならきっと高市政権の放漫財政を批判するに違いない・・・と決めつけていたら、やはり最後は「やんわりと批判」しました。
財政の健全性を評価する指標は、所謂プライマリーバランス(PB 一次財政収支)と債務/GDP比率がありますが、高市政権がPBから債務/GDPに重心を置くとし、GDPの増大で多少の赤字財政を容認することに舵を切った、としました。
太田氏が提示した先進各国の債務比率の推移は以下の図です。

先進各国が上昇基調にあるのは、経済が成長しつつも金利上昇で債務が上昇しつつある。
逆に日本は直近の名目GDPの上昇と低金利で「ボーナスステージ」にあり、比率が急速に低下しつつある、とのことでしたが、今のゼロ金利国債が高金利の国債に借り換えられれば再び悪化の懸念がある。
併せて、日本は債務比率が大きくその影響は他国より大きいので、長期の視野に立った健全性評価が必要と指摘しました。
いくつか指摘させて頂きますが、高市氏は債務/GDP比率ではなく純債務/GDP比率を指標としようとしています。
純債務とは政府保有の金融資産を差し引いた債務で対GDP比率の推移は以下の通りです。

基本的な傾向は債務/GDP比率も純債務/GDP比率も同じで、我が国が最大である事には違いありません。(べらぼうな差かどうかという違いです)
ただ、これは本質的な問題ではありません。
もっと重大な見落とし項目は、「日銀が保有する国債」の評価です。
財務省の統計によれば、2025年6月末の速報値で50.9%の国債を日銀が保有しています。
利払いの半分は何れ日銀から政府に還流されます。
2017年3月にノーベル経済学賞のスティグリッツ氏は中央銀行が保有する国債は「相殺」されるべきと国会で意見を述べました。
(マスコミの皆さんは見事に隠蔽しましたが)
なにもスティグリッツ氏が特異な意見を述べられたのではなく、古新聞ですが、IMFも日銀保有の国債を差っ引けば日本はもっとも財政が健全とまとめたとロイターが報じています。
こういう議論をすると日銀は政府の子会社(連結すべきもの)かどうかと言う議論になりますが、当時の財務大臣鈴木俊一氏が
と、会見で「誤魔化した」ように、政府の子会社である事は否定できません。
鈴木氏は「会社法で言うところの子会社」にはあたらないと仰っていますが、当たり前です。
日本銀行は会社法が適用される法人では無いので、誤魔化している以外の何者でもありません。
日銀法で55%以上の株式を政府が保有することが規定されており、役員の選任権も政府が有していますので、これを子会社でないというにはいささか無理があります。
従って、財政の健全化議論をする上では、日銀保有の国債をどう評価するか要注意です。
有り難うございました。