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出遅れおじさんです。
先週末(12月23日)に11月分の消費者物価指数が総務省より公表されました。
CPI総合、コアCPIとも対前年同月比上昇率は10月から+0.1%増と伸びは鈍化しました。
何時も私が参照させて頂いている、PwCコンサルティングの片岡剛士氏(元日銀政策審議委員)がレポートして下さっている、食料品・エネルギーを除いた欧米式コアCPIは対前年同月比+1.5%で10月と同数字でした。
年初来の各指標の推移をグラフにしました。
言うまでも有りませんが、
・CPI総合 :すべての価格の平均
・コアCPI :生鮮食品を除く価格の平均
・コアコアCPI :生鮮食品、エネルギーを除く価格の平均
・欧米式コアCPI:飲食品、エネルギーを除く価格の平均
です。
上記のPwC殿の片岡氏のレポートでは、CPI総合を「財(所謂モノの値段)」と「サービス」に分解してグラフにしてくれています。
10月のCPI総合の対前年同月比+3.7%、と11月の同+3.8%への寄与率は以下の通りです。
10月 11月
「財」 +3.3% +3.4%
「サービス」+0.4% +0.3%(四捨五入の都合か合計は合いません)
「財」の中でも上昇に大きく寄与しているのは、
・食料工業製品(+1.1%)、
・電気都市ガス水道(+0.9%)
で、電気ガス水道は高止まったまま、食料工業製品及びその他の財(日用品・耐久財等)の上昇傾向は変わりません。
逆にガソリン等石油製品は減少に転じています。
サービスはグラフを見ても明らかなように、9月までの携帯電話通信料のマイナス効果が無くなって大きくプラス側に触れましたが、11月はむしろ減少しています。
物価上昇の勢いも最早ここまで、という感じがしなくはありません。
このレポートでも、全体としては11月の物価上昇の勢いは「やや後退したと言えよう」と結論づけています。
「何故か ?」
それは給料の上昇が「イマイチ」であるからに他なりません。
何時も申し上げてきましたように
「給料が上がらなければ、使うお金が増えない」
と言う極めて当たり前の原則によるものです。
経済成長の循環は理想を言えば
「給料上昇」
→ 「消費拡大」and「人手不足」
→ 「物価上昇」
→ 「企業収益向上」
→ 「給料上昇」
(追記:「人手不足」の場所を修正しました)
となって欲しいのですが、「給料」と「物価」の上昇はやや「鶏と卵」のように、どちらが先かとにらみ合っているうちに、どこかで均衡してしまって、放置すると「縮小均衡」に向かう傾向にあります。(同じお金で多くのものを買いたいから)
これを「拡大循環」させるためには、何らかのカンフル剤が必要で、一番手っ取り早い手段は「財政出動」なのですが、今の岸田政権のやることなすこと、金額を積んだかと思えば「使えねー」モノばかりで、尚且つ「増税」をちらつかせ、消費意欲を減退させるモノばかりです。
今の日本のようなコストプッシュ型インフレは長続きしません。米国のようなデマンドプル型のインフレに転換して欲しいと思いますが・・・
「悪い円安論」と「インフレ怖い」という空気の醸成は、「縮小均衡」を指向する連中の洗脳工作では無いかと言わざるを得ません。
有り難うございました。