当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。
出遅れおじさんです。
「毎日が日曜日暮らし」満喫ネタです。
本日(4月15日)は東京国立博物館(トーハク)の特別展「法然と極楽浄土展(4月16日~6月9日開催)」の内覧会に参加しました。
私が改めて気づかされたのは、トーハクから送ってくださった案内はがきにある英語名「HONEN AND PURE LAND BUDDHISM」でした。
「PURE LAND」・・・一瞬意味するところが理解しかねました。
純粋な土地、汚れない土地・・・そうか「浄土」だ! に漸くたどり着きました。
「極楽浄土」とひとくくりにいうことがありますが、広辞苑の説明を読む限り、「浄土」とは「五濁・悪徳のない仏・菩薩の住する国」のことで、十方(八方+天地)に諸仏の浄土があるとされるが、西方浄土往生の思想が盛んになると、阿弥陀のいる西方浄土(極楽)をさすようになったとのことです。
その「極楽」は西方十万億土を経たところにあって、全く苦患のない安楽な世界で阿弥陀仏が常に説法しているとのことです。
どうでも良いことですが、ATOKでは特殊な仏教用語なのでしょう、五濁(ごじょく)、苦患(くげん)が変換で来ません。
となると、所謂西洋的な「天国」との違いが気になるところですが、HeavenとParadiseも意味するところに違いがあるようです。
Heavenは善行の結果死後に行ける神の住む世界
Paradiseは死後に行ける完璧な場所(神の有無や善行の要否等は記載無し)
(オックスフォード英英辞典の解説による)
私の乏しい知識でいうと、キリスト教やイスラム教のような一神教の教義に示された天国はHeavenで、極楽浄土に近いのかもしれません。
逆にParadiseはそれ以前の神話の世界のようでもありますが、神話の神々の間では、争いや愛慾のゴタゴタもあったようですので、「Perfect space(オックスフォードの解説)」とは言いがたいような気もします。
今回の特別展の見所は上記のはがきやメイン看板にも描かれている阿弥陀二十五菩薩来迎図のような法然の宗教観を表した大作もさることながら、私が一番引き込まれたのは法然の生い立ちを記した伝記絵巻「法然上人絵伝」です。
鎌倉時代の作品と室町時代、江戸時代のリメーク(?)等いくつかバージョンがありようですが、鎌倉時代の絵巻の人物描写が見事です。
構図は平安絵巻伝統(?)の斜め俯瞰図で、背景の描き方等は後年のバージョンが技量の発達を感じさせますが、細かな人物の配置と細かな線画による描写が活き活きとして見事です。
何れも香川県法然寺所蔵 「仏涅槃群像の一部」 ここだけ写真撮影可
清らかな気持ちで、国立博物館をあとしにして上野駅に向かったら4時過ぎ。
日経平均は朝の寄りつき直後よりだいぶ戻しましたが、290円近い下げ。
突然の煩悩の世界に引き戻されました。
有り難うございました。