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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日(11月26日)のモーサテのゲストのお一方は、みずほ銀行の唐鎌大輔氏でした。
本日の注目ポイントはいつもの「プロの眼」では無く、番組の最後に追いやられた(?)ゲストの「きょうの経済視点」です。

唐鎌氏の揚げたフリップには「内外価格差」とありました。
唐鎌氏の主な著書には
「『強い円』はどこへ行ったのか」
「弱い円の正体 仮面の黒字国・日本」
等々あって、タイトルからは比較的「悪い円安教」の雰囲気は感じますが、かっては黒田日銀総裁の円安誘導を「遅い」と酷評したこともあり、為替政策においてはやや中立的と感じていました。
ロンドンでスタバのアイスコーヒーのトールが3.52GBP(約700円 約199円/GBP)で日本国内の470円と比べると・・・
唐鎌さん! それでは加藤出氏と言うことが変わらないでは・・・と思ったら、さすがに為替が25%円高(なじみ深い円ドルに喩えれば155円/$→116円/$ という勘弁して欲しい水準)になっても、520円でまだ、日本より高い。
唐鎌氏は、内外価格差を考えるときすぐに為替問題に帰結するが、為替よりベースとしての価格差の方が問題で、人件費・諸物価等々の永年の上昇の差が表れている・・・と、「悪い円安教」の伝道師のようなこの番組にあっては至極まともなコメントと言わざるを得ません。
「そうですか」
片渕茜キャスターはさらりと受け流しました。番組のエンディングが迫っているので致し方ないところはありますが。
隣の池谷享キャスターも「ナニ言ってんだ」と言わんばかりで無言で流しました。
この番組では、かって
の記事で批判したように、東短リサーチの加藤出氏(日銀の政策決定会合が近くなると必ず出演?)が、主としてニッポンブランド(丸亀製麺や大戸屋)の内外価格差を比較して「円安」のせいにしていました。
大戸屋の「しまほっけの炭火焼定食」は当時の為替141.5円/$で5.7倍ですので、今日の155円水準ではさらに価格差は開いているのでしょう。

家賃や人件費の価格差は全く無視、ましてや米国で日本と同じ水準の焼き魚や白米当提供するのにどれくらいコストが掛かるのか、さらには「人気の和食」で「強気の値付け」という経営戦略も全く無視しています
(さらにはミュージカルの料金に至っては異なるカテゴリーの比較をしているとしか思えません)
唐鎌氏が言うように、この失われた30年もの停滞でついてしまった経済成長・物価上昇の差なのです。(年2%の物価上昇が30年続けば1.81倍)
有り難うございました。