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出遅れおじさんです。
Jフロントリテイリング(3086 JFR)と高島屋(8233)より配当金を頂きましたので、三越伊勢丹HD(3099)と併せて百貨店3社の中間決算の状況をご紹介します。
ちなみに、JFRと高島屋は2月決算、三越伊勢丹は3月決算です。
百貨店の「シノギ」と言えば「売上高!」ということでいわゆる「営業収益」で語られることが多いのですが、これを「タテ(時系列)」、「ヨコ(社別)」に並べようとすると、非常に面倒くさいことになっています。
2021年4月から始まる会計年度から「新収益認識基準」が適用になるからです。
どのタイミングで売上げを立てるのか・・・を統一しようと言うことなのですが、「委託販売」が主流の百貨店およびアパレル業界(この記事では各「ブランド」をアパレルと呼称)が最も影響を受けているようです。
単純に言えば売上げ(営業収益)は以下のように認識されることになります。
【旧基準】
アパレル:卸値(所謂 下代)
百貨店 :売値(所謂 上代)
【新基準】
アパレル:売値(所謂 上代、従来の上代―下代は「家賃」として経費扱い)
百貨店 :家賃(従来の上代-下代が家賃相当)
「委託販売」なのだから、新基準のように理解するのが合理的です。
アパレル側は日々売上げを計上しますし、百貨店への「家賃」は月ごと或いは期毎に払っているはずなので、どの時点で収益を認識すべきか?についても新基準が合理的と思います。
ただし、上記の事情を斟酌せず数字だけ見ていると、アパレル側は突然売上げが「爆上げ」、百貨店は「爆下げ」となります。
私が直接目にしたわけではありませんが、ある経営コンサルによると「◯△百貨店 売上げ40%ダウン!」と言う恥ずかしい見出しを掲げた記事もあったとのこと。
三社の売上高・純利益の推移と今期の見通しは以下の通りです。(単位:億円)
赤字は新基準です。(何故かJFRは旧基準で公表?)
三越伊勢丹は3月決算なので3月期と読み替えてください)
【売上高】
19年2月期 9,128 11,251 11,968
20年2月期 9,190 11,336 11,191
21年2月期 6,808 7,694 8,160
22年2月期 7,611 8,752 4,183
旧基準 (9.121)
中間決算 2,090 4,641 2,228 <今回公表>
旧基準 (4,135) (?)
23年2月期 4,390 9,750 4,940 <予想>
旧基準 (8,605) (10,750)
売上高は三社とも、まだまだコロナ前の水準には復帰できていません。
【純利益】
19年2月期 164 273 134
20年2月期 160 212 ▲111
21年2月期 ▲339 ▲261 ▲410
22年2月期 53 43 123
中間決算 135 101 77<今回公表>
23年2月期 200 160 240<予想>
JFRのみコロナ前の純利益を回復できていませんが、他の2社はリカバーできたようです。
【追記】
いよいよ今夜(23日)、日本代表はワールドカップ初戦です。
特別な1本を傾けつつ、応援したいと思います。
有り難うございました。