出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

【モーサテ日記】日本経済新聞はなぜそこまで中国に忖度するのか?

当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。

出遅れおじさんです。

 

【おことわり】

 「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。

 

 「モーサテ日記」と表題を浸けましたが、今回の内容は「日経朝特急」のコーナーで紹介された本日(20日)付け日本経済新聞一面の、「米国、台湾と武器共同生産へ協議 中国抑止へ提供前倒し」という記事

www.nikkei.com

 の、内容についてです。(会員登録しないと全文は読めません)

 

 武器の共同生産そのものについては、米国の台湾への関与をより確かなものにすると言う意味では大変好ましいもので、「バイデン大統領の『ボケ芸』」との合わせ技で、中国に対する威嚇効果はあるのではと思います。

 

 「バイデン大統領の『ボケ芸』」とは、バイデン大統領が会見等で「台湾有事の際、米軍は台湾を防衛するのか?」と記者から問われ、、「Yes」と大見得を切って答えた後に、ホワイトハウスが「中国に対する米国の政策が変化したわけでは無い(ボケジジイはしょうがねえナー)」と打ち消しコメントを発表すると言うものです。

 これが4回も繰り返されると、さすがに「本気?」と思わざるを得なくなるでしょう。

 

 今回の記事は日経の独自ネタのようで、ロイター等も「日経によると」と言う伝え方をしています。

 

 日経はこの背景として、17日カリフォルニア州で催されたイベントでブリンケン国務長官

「中国は以前に比べてかなり早い時間軸で(台湾との)再統一を目指すと決意した」

 と発言したということを上げています。

ブリンケン国務長官(日経殿サイトより)



「再統一 ?」

 

 私がこの記事で最も違和感を覚えたのはこの用語です。

 台湾ってもともと中国の一部でしたっけ?

 

 中国共産党政権はこれまで一度も台湾を支配下に治めたことは無かったのでは?

 

 なんだか、いかにも元々中国の一部であった台湾が勝手にしているのを中国が元に正そうとしている、と言うニュアンスで中国の台湾統一を正当化していません?

 

 ブリンケン国務長官のカリフォルニアでの発言自体はBBC(日本語版)やAFP-時事(日本語版)等も報道していますが、すべて「再統一」では無く「統一」という用語で伝えています。

 

 原語ではどうであったか、についてはワシントンポスト

www.washingtonpost.com

 他、複数のメディアがブリンケン発言を報じていますが、何れも「seize」と報道していますので、ブリンケン国務長官はその用語を使ったと理解するのが合理的であると思います。

 

 オックスフォード英英辞典のseizeの項の説明の一番は

to take something in your hand suddenly and using force

 (いきなり、強引に手に入れる)

 と記載されています。

 

 およそ日経が伝える「再統一」などという、「普通の行為」とはほど遠いニュアンスであったと断言できます。

 

 日経は中国の台湾統一(と言うか武力侵略も辞さない)という方針に忖度した、或いはそれなりに正当化されうる、或いは道理のある行為として伝えたい、という意思が働いているとしか思えません。

 

 そこまで言えば、日経新聞のスクープは上記の武器共同生産等の米国の動向を中国に「ご注進」しようとしたのでは とすら勘ぐってしまいます。

 

 私の心が曇っているのでしょうか。

 

有り難うございました。