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出遅れおじさんです。
表題の通り、私は個別の企業経営者の発言については批判を避けてきました。
経営者ですから、企業(含む従業員、或いは顧客や取引先)に対して責任があり、企業を守るためのポジショントークは必要であり、それが経営者の責務であるとも思っています。
円安が自社に対して不利益なら声高に円高誘導を叫べばよいし、円安が有利なら円安誘導を求めればよいと思っています。
しかし、今回のファーストリテイリングの柳井会長兼社長の決算発表会見での発言
については、聞き流すわけにはいきません。
テレ朝報道をベースとした発言要旨は以下の通りです。
・(我が国の)経済は本当にひどい
・構造的に転換しないとだめ
・小手先のお金を配るだけ、こんなことで良いのか
・円安によって、普通の人の生活は確かに悪くなっている
・(円安による)メリットを感じている人の声が聞こえない
・日本経済だけでは無く、社会全体が悪い方向へ行って取り返しが付かなくなる
率直に言って、2年連続で最高益を更新した企業経営者の発言とは思えません。
何を持って経済はひどいと仰っているのでしょうか。
経済が悪いので、ユニクロやGUの商品しか買えない消費者が増えている
結果として、ファーストリテが最高益を連続で更新した
そのことが、ひどいとお考えなら理解は出来ます。
でも、従業員や取引先の立場からしたら「会長 それは無いでしょう!」と言いたくなるのでは無いかと思います。
円安によってメリットを感じてい人の声が聞こえないと仰いますが、円安で最高益を記録した経営者の発言とはとても思えせん。
自社の社員や取引先の皆様はきっとお慶びのことだと思いますよ。
ただし、キチンと貴方が自社の利益を従業員や取引先の方々に還元しての話ですが。
政府に小手先の「バラマキを止めろ」と仰いますが、「バラマキ」しなければならないのは貴方自身です。そのご自覚はありますか?
「悪い円安教」にかぶれたのかも知れませんが、円安のメリットを殆どの製造業でも感じてないのでは、と仰いますが、各企業の1/四期の決算で円高による増益効果がどれくらいあったか把握されていないのでしょうか。
4~6月の法人企業統計では金融保険を除く全産業の営業利益は前年同期比13.1%増、経常利益は同17.6%増で中間決算は過去最高を記録する可能性もありますし、年度見通しも上方修正されることが想定されています。
このすべてが円安効果とは言いませんが、それでも円安によって経済はひどい状況だ、と仰います?
「企業がよくても庶民は困窮している」というのは、経営者として従業員や取引先への利益の分配が足りていないからだとご自覚されていますか?
円安を批判するからには、政府(というか日銀)に引き締政策への転換を求めると言うことだと理解しています。
その緊縮転換が自社並びに従業員や取引先にどれだけの苦痛を与えるか理解されていますか?
柳井会長!
私は個人的に、一代でファーストリテイリングを築きを上げた貴方の経営手腕を大変尊敬しています。
しかし、以前にも批判的なコメントをさせて頂きましたが、社会や経済に対するご発言には見識を疑わざるを得ない事が多いです。
社会や経済に対するご発言はお控えになって、自社の利益の向上や、従業員・取引先への分配に心血を注いで頂きたいと思います。
有り難うございました