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出遅れおじさんです。
8月10日取引時間終了後に富士フイルム(4901)が23年3月期1/四期の決算を発表しました。
決算の概要は以下の通りで、絵に描いたような増収減益決算となりました。
売上高 6,258億円(前年同期比+ 7.4% +592億円)
営業利益 495億円( 〃 ▼12.0%、▼68億円)
純利益 413億円( 〃 ▼27.8% ▼160億円)
年度決算の過去の推移、23年3月期の見通しは以下の通りです。(単位:億円)
売上高 営業利 純利益
20年3月期実績 23,151 1,865 1,249
21年3月期実績 21,925 1,654 1,812
22年3月期実績 25,257 2,297 2,111
23年3月期予想 26,500 2,450 1,920(当初予想)
23年3月期予想 27,000 2,500 1,950(今回発表)
配当については連続増配を維持すべく22年3月期110円、23年3月期120円としています。
同社の事業は以下の4分野から成り立っています。
・ヘルスケア:医療器機、医薬品、化粧品
・マテリアルズ:高機能材料、記録メディア
・イメージング:元々の本業の写真屋さん
同社の事業規模の中で元々の本業であったイメージング事業は全社の1/四期売上げの13%にすぎず、残りの3事業が29%ずつと言う感じです。
今回の事業分野別の営業利益ではヘルスケア部門のみが▼99億円の減益で、他の3事業併せて32億円の増益でした。
ヘルスケア部門は半導体需給の逼迫に伴う部材価格、物流コストの高騰の影響(所謂オペレーション)で▼109億円の減益を計上しています。
全事業通しての要因別の1/四期営業利益の増減は以下の通りです。
・為替 +92億円
・原材料価格 ▼62億円
・一時費用 ▼ 4億円
・中国ロックダウン▼40億円
・オペレーション ▼61億円
為替の円安効果が原材料高等に食われてしまったという感じでしょうか。
純利益については、営業利益の減益額より更に約▼100億円近く減益額が膨らんでおり、前期比▼27.8%もの衝撃的な決算となりました。
上記の年度決算の推移を見て頂いてもお判りの様に、22年3月期のみ純利益が大きくなっていますが、これは22年3月期の1/四期に富士ゼロックスの完全子会社化による損益改善(数字は非公表のようですが100億円前後?)による影響です。
今回の1/四期純利益の▼27.8% ▼160億円の大半は前年同期の反動でしょうが、欲深―イ投資家(決して皆様のことではありません)にはそんな言い訳は通じていないようです。
今回の決算発表の中でも23年3月期見通しについて売上げ、営業利益(過去最高!とのこと)、純利益の上方修正も併せて公表しましたが、「焼け石に水」でした。
そんなことより、1/四期で純利益は413億円でしたが、年間で1,950億円の達成は大丈夫か?と言いたくもなります。
11日の米国CPI発表を受けての12日のお祭り騒ぎのような東京市場の「爆上げ」のなか、私の手持ち銘柄(REIT除く)で下げたのは2銘柄のみでした。
富士フイルム -82円(-1.11%)
日本電信電話(9432) -46円(-1.23%)
NTTは通信障害のKDDIに引きずられているとの声もありますが、ヘッジファンドが売り浴びせているとの噂もあります。
先日、(見ようによっては)▼73.6%の減益を発表したブリヂストン(5108)は±0円でした。
富士フイルムは成長力のある事業分野を抱えており、株価も一時のコロナ治療薬アビガンの狂乱を除いては上昇基調ですので、気長に応援したいと思います。
有り難うございました。