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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
モーサテ日記と題しましたが、本日のテーマはモーサテの論調ではなく、モーサテの「日経朝特急」のコーナーで紹介された日経新聞の記事に対するツッコミです。
驚くなかれ、これが大「日経新聞」殿の今朝の1面らしい(日経を購読していないのでテレビ画面の紙面画像しか診ていませんが)というので驚きです。
会員登録をしないと全文読めませんが、web番の記事は以下の通りです。
記事の趣旨は
・金利のゆがみ等市場本来の機能が働きにくい
・日銀の政策によって歴史的円安を誘い物価高を呼ぶ矛盾に直面
・緩和長期化副作用が広がりつつある
ハイ、何時もの「悪い円安」論の新手のキャンペーンが始まりました。
この要約は、記事のアブストラクトの部分を箇条書きに直しただけなのですが、逆向きに読むと「悪い円安」教の宣教師である日経新聞の言いたいことは良く判ります。
急に、発行済み国債の日銀保有比率がクローズアップされたのは、web版の記事にもありますが、6月の日銀による国債購入額が前月比2.3倍に増えた事によるものです。
月々の購入額推移の中で、今月の買入額は群を抜いています。
一番の原因は最近の経済ネタのサイト等でちょくちょく話題になっていますが、海外のヘッジファンドが、
・日本のみが低金利政策をとっていて自国通貨安
・通貨防衛のために何れ金利上昇に舵を切るンジャネ?
・だったら、日本国債の価格が下がるジャン
という発想で日本国債の空売りを仕掛けているようです。現に下がったら連中は大儲けです。
でも、発想が浅はかですよね。
実は、コロナショックの最中にトルコのエルドアン大統領が同じ事をヤラカシました。トルコリラ安に耐えかねて大幅に金利を上昇させたのです。
同じ事を日本もするのではないかと思っていたら大間違いです。
「トルコと一緒にするんじゃネエ!」(トルコの皆様、大変申し訳ありません)
自国にまともな産業もなく殆どの消費財を輸入に頼る国ではインフレは政権の命取りですが、敢えて我が国に関して言えば
「世界最大の債権国を嘗めるんじゃネエ!」
と言うところでしょうか。
いくら空売りで頑張っても、日銀はある意味「無限」に買い入れることが出来るので彼らに勝ち目はありません。
が、実は今回の記事にもあるように思わぬ敵が国内にいるのです。
「悪い円安」教の総本山日銀と黒幕の財務省です。
上記の記事でも国債の半分を日銀が保有しているのは「特異」ではあるが、何故それが悪いことであるのかは全く説明が出来ていません。
結果として、早く緩和を止めたい一心で「悪い円安」と「ものの値段の上昇」と結びつけたいようです。
勿論、エネルギー等の価格は円安で上がっていることには違いありませんが、何故かドル高のはずの米国のほうがガソリン価格の上昇が激しい事は全く無視しています。
「円安」はガソリン価格高騰の主要因ではないのです。世界全体で上がっているので す。
宣教師である日経新聞は経済新聞で有りながら、態と「物価」という用語を誤用して「すでに物価高」と言っていますが、現状では「個別のものの値段」が上がっている段階です。
全体の価格の平均である「物価(コアコアCPI)」は日銀目標の2.0%に対して4月5月は何れも未だ0.8%です。
まだまだ緩和を継続しなければデフレに逆戻りです。
敢えて皆さんに問いかけたい。
2%の価格低下を求めますか?
1%の失業率低減を求めますか?
総務省による我が国のフィリップス曲線(日経記事より)によれば、インフレ率0%→2%で、失業率はほぼ-1%です。今が正念場だと思っています。
有り難うございました。