当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。
出遅れおじさんです。
先週のニュースですが、ふるさと納税の返礼品現金化を謳ったD社の「キャッシュふる」が2日でサービスを停止すると発表しました。
初めてこの「キャッシュふる」サービスを耳にしたとき、「頭の良いヤツがいる」というのが素直な感想でした。
もうすでに終了したサービスではありますが、仕組みを簡単に説明すると、(根本的なふるさと納税の仕組みは割愛しますが)ふるさと納税で頂ける「お礼の品(寄付金額の30%相当)」を転売し20%を現金として還元、10%を仲介手数料とする、という仲介ビジネスです。
そして2日でサービスを終了下というニュースを聞いて感じた率直な感想は、根本的には「総務省の横やり」以外の何者でもありませんが、総務省は如何なる法的根拠をもってサービス中止に追い込んだのか? と言うのが気になり始めました。
どうも総務省は地方税法の改正によりこの制度を阻止すると言う考えのようですが、
「それは、事後法だろ?」
と叫ばずにはいられません。
「ふるさと納税制度の趣旨に反する」という精神論は判らなくはありませんが、何故このサービスを中止させなければならないか? 何ら合理的説明はありません。
ふるさと納税の返礼品がセカンドマーケットで転売されているというのは公然の事実(?)ですが、D社はこれを仲介するビジネスをしようとしただけです。
何故、中止に追い込まれなければならなかったのか?
本日(6月17日)の虎ノ門ニュースの解説ゲスト、嘉悦大学教授の高橋洋一氏と、明治大学教授の飯田泰之氏が明快に解説してくれました。
高橋洋一氏についてはこれまでも何度かこのブログでご紹介しましたが、第一次安倍内閣で当時総務大臣であった菅義偉氏に「寄付金控除」の仕組みを使ってふるさと納税を具現化させた「張本人」です。
高橋氏の解説によれば
・総務官僚は基本的にはふるさと納税の制度は「大反対」
(地方に交付金を配付するという総務官僚の権益を奪うから)
・そんな中、あらゆる付帯的ビジネスは排除したい。
・「限りなくブラックに近いグレー」という心情論に訴えて「趣旨に反する」という世論工作を実施した。
・法的には何ら根拠がない。
・明らかに憲法が保障する「営業権の自由」を毀損している。
と言いものでした。
飯田教授もこの辺りから参戦してきましたが、
「最近は、あまりに憲法が保障した自由を毀損する行政行為が目に余る。が、憲法学者はこれに関しては何も指摘しない」
と言うことでした。
具体的な事例として両教授が上げたのは、今回の事例以外にも、新築物件へのソーラーパネル設置義務化やコロナ禍での営業自粛等でしたが、これらの明らかな憲法違反行為に対して、あまりに憲法学者は「ダンマリ」を決め込んでいると言う主張でした。
コロナ禍での営業時間短縮等の自粛については、グローバルダイニング社等、裁判になっている事例もありますが、日本人が従順で自律的なのを良いことに、憲法で保障された自由が侵害されている事例が多いような気がします。
レジ袋有料化も全く同じであると思います。
レジ袋有料化に関しては、明確な営業権の自由という憲法違反との内閣法制局の見解を受けて、「法」ではなく「省令」で定めたと言う極めて姑息な事例もありますが、地方税を含む税法では「あれ、ダメだから!」と決めてしまえば何でも出来ると言っても過言ではありません。
こんな事でスタートアップを支えると言う、岸田ソーリの提言は空しく響くばかりです。
そして、憲法を(というよりは憲法典を)守りたい憲法学者がこういう動きに関して誰一人声を上げないのは何故でしょうか。
憲法学者という方々は、憲法の各条文を云々するより、9条を政府に愚直に守らせて我が国の防衛力を削ぐことが信条であると言ってしまえば言いすぎでしょうか。
有り難うございました。