出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

【モーサテ日記】出ては消え、消えては出てくる「悪い円安論」

当ブログをご訪問頂きまして大変有り難うございます。

出遅れおじさんです。

 

【おことわり】

 「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。

 

 ついにドル円相場が135円台前半になり、1998年の金融危機以来の水準に達した。

www.nikkei.com

 と、日経新聞が報じました。(有料記事です)

 

 購読していないので判断できませんが、読売新聞の6月14日の一面トップはほぼ同じ見出しでしたので、日経もトップ記事で伝えていたものと思われます。

上記日経サイトより借用



 本日(6月14日)のモーサテゲストの、東海東京証券佐野一彦氏がプロの眼に続いて、「本日の経済視点」でフリップで紹介したものは「内閣支持率」でした。

 

 佐野氏の論旨は以下の通りでした。,

 

・日銀(黒田総裁を指すと想定)は「円安は日本経済にプラス」との思いで円安是正に舵を切る可能性は低い。

・市場の一部では政治要請が強まれば事態は変わるのではと言う期待もある。

世論調査では、円安の悪影響を受けての「物価高騰」対策では61%が岸田内閣を評価しないとしている。

・7月の参院選へ向けて、物価高によって支持率が下がれば、日銀への圧力が出てくると思う。

・しかし、物価高対策への不満が内閣支持率に直接繋がっていない。

 

 豊島キャスターが「期待薄ですか?」と問いかけると、佐野氏はヘラヘラと笑って相づちを打ちました。

 

 アンタら! 何を期待しているのだ!!

 

 先月末の記事ですが、

deokureojisan.hatenablog.com

 で、同じ番組で東短リサーチの加藤出氏が、「世論が政治を動かして日銀にプレッシャーを!」と言っていたように、「黒田総裁が緩和姿勢を変えないなら、政治圧力で!」って、都合の良いときだけ「独立性」放棄するんじゃネエ!

 

 安倍元総理による緩和指示に対しては、「日銀の独立性」を振りかざして抵抗したくせに、思うように緩和姿勢を止めないなら「独立性」をかなぐり捨てて政治や世論の圧力を期待するのですか?

 

 ご都合主義以外の何者でもありません。

 

 今、緩和政策を転向すると景気がどうなるのか、想像できませんか?

 

 「緊縮姿勢」を貫くことが自らのレーゾンデートル(存在意義)とでも考えているのでしょうか。

 

 自らのレーゾンデートルのためには国民がもだえ苦しもうが構わない、とでも考えているのでしょうか。

 

 いみじくも、上記の日経の記事にある24年前の円安以降に日銀が何をやらかしたのか、よもやお忘れでは無いですよね?

 1998年、バブル崩壊後の長銀を初めとした金融機関の破綻にともなう「日本売り」に対峙しようと、日銀は一旦は「ゼロ金利政策」をとります。

 しかし、再び円安のトレンドとなったと見るや一気に緊縮に舵を戻しました。(2000年8月ゼロ金利政策解除)

 

 その結果が地獄のようなデフレであったことをお忘れではないですよね。

 

 「為替」を金融政策の目標関数にする事が如何に愚かなことか、お忘れになったのでしょうか。

 

 食料品やエネルギー価格の高騰により「負担を感じる」を通り越して、辛い思いを感じていらっしゃる方がいるのは確かですが、それは円安を是正すると回避できるのですか?

 

 円安が主要因なら、欧米で日本よりガソリンや電力等のエネルギー価格が高騰している事の説明が付きません。

 

 何度でも言います。

 

 円安を是正しても物価高騰は止まりません。

 

 逆に、今、緊縮に舵を切ることによる「悪影響」が遙かに大きいことを忘れてはいけません。

 

 有り難うございました。