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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日3月18日のモーサテ「プロの眼」のコーナーのゲストはホリコ・キャピタル・マネジメントの堀古英司氏で、本日は東京のスタジオからリモート出演されていました。
このブログでも過去何度かご紹介していますが、私は個人的に堀古氏の鋭い切り口の視点を高く評価しています。
先に結論から言うと「よく言ってくれた!」の一言です。
惜しむらくはこの声が投資家の、ひいては有権者の総意として響けば・・・と言うところでしょう。
堀古氏がまず提示したのは、TOPIX とS&P500の30年と10年のパフォーマンスの差です。
堀古氏は、岸田ソーリが「行きすぎた株主資本主義からの脱却」を掲げているが、「この30年間、行きすぎどころか、株主資本主義であったこともない」と断言しました。
10年で見ると、TOPIXもアベノミクスの効果でS&P500に比肩しうるレベルですが、直近は格差が拡大している。
30年では、全くお話にならないくらい差が開いています。
やや鶏と卵の関係に似ていると、私は感じていますが、TOPIXとS&P500のリターンとリスクの比に大きな差が出ている。(だから資金が集まらずリターンが低い)
バブル崩壊による日経平均の下落の始まりが1990年の1月からで、ほぼ32年前の事なので、我が国の株価のリスク(変化の標準偏差)はS&P500より大きく、年率リターンは微々たるもの(0.5%)ですのでリターン/リスク比はほぼ“ゼロ”です。
堀古氏はリターン/リスク比が0.5以下は投資不適格水準としています。
次に堀古氏が挙げたのは、日米のROE(Return On Equity)所謂自己資本利益率に大きな差があると言うことでした。
過去20年のROEを比較すると、常にTOPIXはS&P500の半分程度の水準でしかありません。
原因として、日本の企業の収益率が低いというのもありますが、内部留保以外にも不動産の保有が過大であるというのも原因のひとつであるとの事です。
投資家が期待するリターンは13%とのことで、不動産でこれくらいのリターンを得ることは不可能なので、キチンと整理して株主に還元すべき、と主張しました。
自己株式購入の規制などとんでもないと言うことです。
岸田ソーリの言う、「賃金の上昇」についても、今の従業員が多少良い思いをしても成長には繋がらない。
リスクを負ってくれる資金を取り入れ企業を成長させてこそ賃金が上昇するとのことでした。
以前ご紹介させて頂いた
の記事の、マネックス証券の広木隆氏の主張と同じですが、これが賃金上昇の王道であると思います。
有り難うございました。