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出遅れおじさんです。
「ソーゴーショーシャ」各社の3/四期決算が出そろいました。
総合商社をカタカナ表記しているのは、以前の記事にも書きましたが、昔々のNHKドラマ「ザ商社」で山崎努さん演じる主人公が製油所建設計画中のレバノン系アメリカ人サッシンに自分の会社を
「エサカ イズ ソーゴーショーシャ!」
と売り込むシーンが極めて印象的だったからです。
勿論、商社株の中で私が注目しているのは、「おっとり長男坊」の三菱商事(8058)と商事に追いつけ追い越せの伊藤忠(8001)の「ぎらぎら次男坊」ぶりです。
伊藤忠の岡藤正広会長は、5大商社の中で、「時価総額、純利益でトップに立つ」と言うことをコミットメントしていました。
「株主の皆様へ」と題したコミットメントは、過去にはネットで公開されていたことがあったようですが、最近は露骨に対他社比較表(A~Dと匿名ですが)を並べ、特にA社(商事)に追いつけ追い越せを謳っているので、株主向けの紙の冊子の配布だけになっています。
私は個人的にはこの岡藤会長の姿勢は大好きです。
結果として、伊藤忠は2020年6月22日に株価で商事を上まわり、2021年3月期決算において純利益では見事にダブルスコアで勝利しました。
ただ、商事としてはこれは面白かろう筈は無く・・・かといって会長のビジュアルを前面にだしての露骨な煽り返しに走るはずも有りませんが、社内では相当な檄が飛んでいたものと思われます。
これを如実に表しているのが、2022年3月期の純利益見通しの変遷です。
【2021年3月期純利益】(億円)
商事 伊藤忠
21年3月期 1,725 4,014
【2022年3月期純利益見通しの変遷】(億円)
商事 伊藤忠
前年決算時 3,800 5,500
1/四決算時 3,800 5,500
2/四決算時 7,400 7,500
3/四決算時 8,200 8,200
2021年3月期末の衝撃のダブルスコア負けから2022年3月期純利益見通しの上積み合戦に挑み、中間期決算では微妙に届来ませんでしたが、3/四期決算で漸く追いつきました。
「ぎらぎら次男坊」に遅れを取っていた「おっとり長男坊」が俄然踏ん張りを見せて横並びになったと言う状況でしょう。
時価総額については、両者の発行済み株式数は、商事14.76億株、伊藤忠14.85億株(何れも3/四期末)とほぼ同数なので、株価の差が時価総額の差と捕らえて頂いて大きな違いはありません。
上記のように2020年6月22日上場来初めて伊藤忠株価は商事の株価を上まわり、商社業界や商社ウオッチャーを驚かせました。
その後暫く伊藤忠の優位は続きましたが、商事は2021年8月26日に再逆転に成功しました。
商事の積極的な事業整理と資源高を背景とした資源商社の強みを活かした収益改善が奏功、株価は堅調に推移し、2月8日にはついに上場来初めて4,000円台に乗せました。
一方の伊藤忠は「中国銘柄」のレッテルは色濃く、恒大集団の破綻懸念等の中国経済の不透明感を受け2021年度に入って以降株価は低迷気味で、結果として三菱商事に再逆転を許しました。
下のチャートは、伊藤忠が商事に競り勝った2020年6月22日以降の株価の指標比較です。(オレンジ:商事、緑:伊藤忠)
厳密には6月22日の終値は商事2,317.5円、伊藤忠2,331円と0.6%の差はあるのですが同日付基準の指数で見ても大きな差は無いと思います。
と言うことで、2022年3月期は「商事の逆襲」の一年となりましたが、私 出遅れおじさんとしては次は「伊藤忠の再逆襲」に嫌でも期待が盛り上がります。
投資家とはナンと欲深い人種でしょうか。
いや、決して皆様のことではありません。
有り難うございました