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出遅れおじさんです。
小泉進次郎氏の発言が物議を醸しています。
事の発端は年末(12月29日付け)の「日刊スポーツ」紙に掲載された米国メジャーリーグ シンシナティレッズの秋山翔吾氏との「横須賀会談」(ともに横須賀出身とのこと)での発言です。
正月休みの間、他に政治ネタが少なかったこともあり、暫くニュース系掲示板を賑わせていました。
1月の3連休(1月8日~10日)に日刊スポーツ紙のサイトに全文が掲載されましたので読んでみました。
主だった批判のポイントは、悪名高い「レジ袋有料化」を決めたのは前任の環境大臣であって自分では無い、という「責任逃れ」とも言える発言です。
中編の「SNSと向き合う」と言うテーマ建ての中で、SNSでの批判にいちいち反論するのはプラスでは無いという主旨の中で出てきた発言です。
【引用始め】
例えばレジ袋の有料化。有料化したのが僕だと思っている方が多いですけど、決めたのは僕の前の大臣なんです。私は具体化をしたんですね。それはほとんど知られてないでしょう。だけどそれを「あれは私じゃないんです」「私の前任者が決めたことをやってるんです」って言ったところで、それはプラスなエネルギーの使い方じゃないなと。
【引用終わり】
イヤ、小泉議員殿
SNSで訳もわからずに貴方を批判する方々は別として、多少でも社会問題、環境問題に対して関心をお持ちの方は、前任の原田義昭大臣の「仕業」である事はよく知っています。
しかも、原田大臣のもと環境省はレジ袋の有料化を法案で提出しようとして、「憲法違反の疑い」と内閣法制局に言われ、姑息にも国会審議も無い省令で実施を決めました。
(この経緯は意外と知られていないようです)
その省令改正が2019年12月27日、これに先立つこと9月11日に貴方は環境大臣に就任していますから、幾ら既定路線であったからと言っても貴方の在任期間中に省令が定められたことには変わりはありません。
「決めたのは前の大臣。私の前任者が決めたことをやってるんです」
ナンテ、子どもの言い訳みたいな話が通用するとでもお考えでしょか。
批判に反論することが有意義か否か以前に、貴方はこの悪名高い「レジ袋の有料化」(何度も同じ表現で申しわけありません)を環境政策としてどう評価しているか一度でも発言されたことはありましたか?
2020年7月3日の環境大臣会見で
「このレジ袋の有料化はそれ自身がなくなることでプラスチックの問題が解決をするとはそもそも考えてもいませんし、それは解決はしません」
と発言されています。
では如何なる効果を見込んでこの政策を推進してきたのですか。
プラスチックゴミの削減ですか?
プラスチックの消費そのものの削減ですか?
原料の石油消費の削減ですか?
貴方は以前(2021年3月18日) J-WAVEの番組で
「プラスチックの原料って石油なんですよね」
「意外とこれ知られていないケースがあるんですけど」
と発言し炎上しました。
ITジャーナリストの篠原修司氏が富山県消費者協会等が実施した調査結果を引用していますが、全年代平均で「84%」もの方々が、プラスチックの原料が石油と知っていたとのことです。
「16%」のかたが知らないと言うことを「意外に知られていない」と言うかどうかは別にして、プラスチックの消費節減を通して化石燃料の消費削減への意識を持って欲しいと思うなら大間違いです。
「意外と知られていない」以上に知られていないことをご紹介したいと思います。
「レジ袋の削減は原油消費の削減にならない」
ということです。
原油を精製していく過程での副産物バランスの中でプラスチック等の産業構造が確立されていますので、一つを減らしたからと言って原油の消費が減少する事はあり得ません。
ましてや、我が国のレジ袋の最終処分は、殆どが「ごみ袋」です。決して海原を漂うプラスチックゴミになっているわけではありません。
「ごみ袋」として焼却場の炉内で「燃料」になっているのです。元が石油ですから石油と同等の発熱量があります。
レジ袋の削減によって「焼却燃料が増加するのでは」とすら言われています。
(申しわけありませんが、私自身この件は未検証です)
貴方が問われているのは、悪名高い「レジ袋の有料化」を決めた張本人かどうかでは無くて、貴方が(前任者が決めたことを)「やった」レジ袋の有料化という政策をどう評価しているかでは無いでしょうか。
レジ袋を生産していた企業の中には「希望退職」を募るに至っており、多くの失業者を出す懸念もありますし、小売業界では「万引き被害」の増加で泣いています。
政策を批判されると、「私が決めたことでは無い」と言い、SNSでの批判を陰湿という。これは責任有る政治家の姿勢ですか?
逆に必要と決めた政策は如何なる反対や批判があろうともやり遂げなければならないと自覚していますか?
貴方には「政治家としての覚悟」があるのかと問いたい。
有り難うございました。