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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに移動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
本日11月30日のモーサテ「プロの眼」のコーナーは東短リサーチ代表取締役社長加藤出氏で、テーマは「政府債務膨脹に対する内外の意識差」でした。
加藤氏は「日銀ウオッチャー」として有名で、日銀に関する著書も出されています。
一縷の望みを持って見ていましたが、勿論裏切られました。
番組では相内キャスターが21年度の補正予算31兆円について触れ、膨らむ国債残高への懸念を煽った上で、加藤氏は以下の主旨で展開しました。
世界各国も同様の状況だが、先進諸国は何れ財政規律重視に戻る。
自国通貨建て債権がデフォルトしないと言うが、先進国らしい財政規律あっての話。
政治に任せると、緩みがちになるので独立財政機関の設置が必要。
(先進国で設置されていないのは日本のみとのこと)
聞いていて、脱力して途中で早送りしてしまいました。
私は以下の2点を大声で訴え続けたいと思います。
1.資産を無視して負債の議論をしても無意味
一昨日の記事
の「金融所得課税の見直しに反対します」の理由3でも述べましたが、何故「負債」の過多のみ議論して、「資産」については無視して議論されるのでしょうか。
勿論、国家の資産の中にはインフラ等流動性に欠けるものもありますが、日銀が市場から調達した国債は2016年には発行済み国債の40%を越えました。
何故この部分を資産に計上しないのか不思議でなりません。
上記の記事のIMFの財政モニターでも、日銀保有の国債と他の資産を合計すれば我が国の純資産はほぼ±0である旨記載されています。
ロイターの記事では、財政黒字のドイツですら純資産はマイナスとのこと。
このレポートは不思議とマスコミから「無視」されています。
或いは財務省にフィルタリングされたのかも知れませんが・・・
2.選挙の洗礼を受けない「独立機関」にマクロ経済政策を任せるべきでは無い
トルコのエルドアン大統領の政策を見れば、選挙のために国家財政を危うくすることを懸念することは理解出来なくはありませんが、日本では全く逆のことが長年続けられてきたと言うことは改めてご認識頂きたいと思います。
高度経済成長下では官僚主導の産業政策や金融政策が成果を上げたことは否定しません。
しかし、その官僚主導がバブル崩壊以降の日本経済の停滞の最大の原因となったと言っても過言ではありません。
加えて「日銀の独立性」の錦の御旗の元、インフレ抑制のみを指向する日銀は場合によっては全く逆の引き締めを断行し我が国経済を疲弊させてきました。
中央銀行の独立性というのは「手段の独立性」であって、経済の方向性を示すのは選挙で選ばれた政治の責任です。
日銀のマクロ経済対策を政治主導で動かしたのは、近年では安倍元総理のみであったと思います。
リーマンショック並びにそれに続く民主党政権下で疲弊した経済を復活させるために、安倍元総理は「雇用の最大化」を達成すべくアベノミクスを提唱し、黒田日銀総裁は「黒田バズーカ」でこれに応えました。
結局、アベノミクスは財務省の消費増税圧力に屈し、成長率の実績を上げることは出来ませんでしたが、「雇用者数」は大幅に増加しました。
上記の加藤氏が提唱している「独立財政機関」の議論が我が国で出てきたのはアベノミクス以降では無いかと思います。(申しわけありませんが未検証です)
もしかしたら独立財政機関設置検討は「ノーモア、アベノミクス運動(政治に金融政策に介入させるな!)」では無いかとすら危惧しています。
有り難うございました。