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出遅れおじさんです。
【おことわり】
「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに移動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。
今日(9月16日)のモーサテの「プロの眼」のコーナーの解説はSBI証券のチーフストラテジスト北野一氏で、テーマは「株高背景 新政権への期待にあらず」でした。
その中で北野氏は今回の自由民主党の総裁候補3人(16日現在)の立ち位置を「政治スタイル」「価値観」の2軸で分布図を示して下さいました。
これが実に秀逸な出来で思わず頷いてしまいました。
縦軸は「価値観」です。上側が「平等」下側が「自由」。
横軸は「政治スタイル」で、左が「改革」、右側が「保守」です。
右上の「保守」、「平等」の位置が河野太郎氏、その対局の「改革」、「自由」の位置に高市早苗氏。中間の「保守」、「平等」寄りが岸田文雄氏です。
通常の感覚では、「保守」と「改革」逆じゃネ! と仰りたい所でしょう。
現に番組MCの塩田真弓氏も「軸が逆では」と言い出して、北野氏に「これで合ってます」とだめ押しをされていました。
今回の立候補者ではありませんが、立憲民主党の枝野幸男氏が河野太郎氏と同じ位置。安倍晋三前総理が高市早苗氏と同じ位置に居るのですから「逆」ではと言う気持ちもわかります。
あれだけ「アベ政治を許さない!」とリベラル系(と言うかヒダリ寄りの方々)から反発されていた安倍氏が「改革」、さらにそれを訴え続けた総本山とも言える立憲民主党の枝野氏が「保守」というのは一般的には理解しがたいと思います。
我が国では、
「愛国」=「保守」=「右より」
「非愛国(反日とは言いませんが)」=「改革」=「左より」
と言う歪んだ色分けが定着していますが、欧米では「保守」=「右」も「革新」=「左」も「愛国」という目指す方角は合っています。手段が違っているだけです。
今回の北野氏の横軸は、「経済政策」に軸足を置いた視点で見ると非常に判りやすいと思います。
アベノミクスの第一の矢であった金融緩和による雇用の創出はリベラル系の経済政策の最たるものです。
逆に河野氏の分配に重点を置いた政策は「保守」以外の何者でもありませんし、細かい手法論では官僚を頭ごなしに罵倒することも多いですが、その既得権益に踏み込む姿勢は未だに見えません。
そう言う意味で,北野氏の横軸分析は極めて良く出来ていると思います。
で、テーマの本質について北野氏は、「株高」は「菅政権」、「オリ・パラ」、「デルタ株」の三重の「閉塞感」の解消によるもので、「新政権への期待」では無いと言い切りました。
むしろ「分配」への傾斜は海外の投資家の価値観と合わず、何れそっぽを向かれるのでは無いかということでした。
でも 北野さん!
アナタ、河野太郎氏が当選するという前提で話をしていませんか?
少なくとも一部の投資家は高市氏の一層の緩和路線に期待して株価を上げているのではありませんか。
「アベノミクス」であれだけ緩和したのに成長しないから「アベノミクスは失敗」という声も聞かれますが、安倍政権の後半並びに菅政権への移行後は、金融緩和姿勢も尻すぼみ傾向であったことに加え、肝心の財政出動が財務省の抵抗に遭って頓挫してしまっていたからです。緩和が足りていないのです。
そこを「サナエノミクス(=ニューアベノミクス)」に期待しているのです。
少なくとも私は。
有り難うございました。