出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

【モーサテ日記】シロートが一目で疑念を抱く・・・中国の所得分布

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【お断り】

 「モーサテ日記」は以前モーサテのキャスターをされていた佐々木明子さんの日経マネー誌の連載タイトルです。佐々木明子さんがWBSに異動されて連載タイトルが変わりましたので勝手にパクっています。

 

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テレビ東京殿サイトより勝手に借用

 月明け、半期明けで3日も月次のご報告に費やしてしまいましたので、やや古新聞のニュースのご紹介です。

 7月1日(木)のモーサテの「プロの目」のコーナーに出演された、AIS CAPITALの肖 敏捷(しょうびんしょう)氏が中国の所得階層区分を示し、4億人の中間層が今後の経済成長を牽引するという趣旨の話をされていました。

 

 ただ、その時示した所得階層の分布に恐ろしく「違和感」を感じてしまいました。

 肖氏が番組で提示した所得区分は以下の通りです。(TV画面の写真の貼り付けは控えます。肖氏は円グラフで以下の人口分布を提示しました)

超富裕層  1億人

中間層上部 4億人

中間層   4億人

中間層下部 4億人

貧困層  1億人

 

 併せて14億人とのことですが、肖氏が今後の鍵を握ると紹介していたのがまん中の4億人で、公務員、大企業従業員、民営起業家、知識人が中心で平均年収1万~3万ドル(単純に計算すれば年収110万円~330万円層)とのことでした。

 

 この数字を見て直感的におかしいと感じませんか?

 

 勿論あの国のことですからまともな状況なんて誰も知るよしも無く、肖氏も(以前から中国共産党プロパガンダを広めるだけのような印象)こう言わざるを得ない立場だと拝察しますが。

 

 これだと全体の平均はいくらか予測できます?

 

 100歩譲って、中間層上部と中間層下部が打ち消し合って3カテゴリー合計の12億人の平均が中間層の所得の中間220万円としましょう。(実際はさらに多いはずですが)

 

 超貧困層は限りなく所得はゼロに近いと想定されますが、超富裕層の所得が中間層の2倍なんて事はあり得ませんよね。

 

 超富裕層(1億人 人口の7%)の所得シェアがいくらかについては現段階では手元にデータがありません。

 しかし、所得格差が極めて少ないと言われる日本の場合で、上位5%の所得シェアは25.3%(森口・サエズ論文 2005年の値)だそうです。

 ほぼ平均の5倍と言うことです。

 

 1000歩譲って、中国の上位1億人が1100万円(中間層平均の5倍)、12億人が220万円と仮定すると、14億人で割って平均収入は270万円です。

 

人口1人あたりのGDPが日本約440万円、中国110万円(IMF統計2019年)から類推するとあり得ない数値です。(単純に逆算すれば日本の平均収入が1100万円!)

 

 すでに1100歩(???)譲っていますので、肖氏のデータはさらに水増しされているのではと感じざるを得ません。

 

 2020年5月の全人代閉幕後李克強首相が、「月収(≒可処分所得)1000元(約1.6万円 年収19万円)で暮らす国民が6億人いる」とぶちまけて世界を驚かせました。

 肖氏のデータと李克強首相発言、どちらが信頼に足るか・・・・

 

 肖氏が如何なる趣旨でこのデータを出したかは判りかねますが、中国の張りぼての経済統計は破綻しかかっていると言っても間違いないと言えます。

 

有り難うございました。