出遅れリタイア日記

年金生活への移行 資産運用等

泥仕合? スターウッドによるインベスコオフィスJREIT公開買付 その後

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出遅れおじさんです。

 

 スターウッド・キャピタル・グループ(以下 スターウッド)によるインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(以下 インベスコR)の公開買付は、第3ラウンドへ突入というよりやや泥試合的様相を呈してきました。

 

【過去の経緯等】

4月 2日 スターウッド「公開買付すっからナ!」

4月15日 インベスコR「ザケンジャネエ! 総会開くから期限を延長しろ!」

4月22日 スターウッド「ヤーダネ!」

4月23日 インベスコR「局長! コイツ、何とか止めてくれ!」

 

 ということで、先週末の23日にはインベスコRは関東財務局長宛に公開買付に係る緊急差止命令の申し立てを提出したようです。

 

 インベスコRの投資口価格は今日28日は権利落ち日ですので、ほぼ4月末の分配金相当の400円弱を下げたところですが、依然として公開買付価格の20,000円を若干上まわった状態です。

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Yahoo Finance 殿より引用

 買付期間を1ヶ月残した状態でスターウッドは本当に三分の二の投資口を集められるか微妙なところではあります。

 

 ただ、投資口保有者として東洋経済の一井純氏の記事には気になる記載があります。

toyokeizai.net

 一井氏は以前のスターアジア投資法人によるさくら総合リートの敵対的買収に関わる記事でもご紹介させて頂きましたが、非常に解りやすく、不動産投資信託の制度的な問題点も含めて的確に解説してくださっています。

 

 スターウッドは公開買付成立後に残りの最大三分の一の投資口をスクイーズアウト(投資主総会で単元投資口の引上げを議決、単元未満投資口を強制的に買い取る)と言う手法で買収するとしていますが、投資主はその際公開買付価格以下の価格であっても抵抗できないとのことです。

 

 株式会社の場合は提示された価格が不満で応募しなくとも公正な価格をもって株式を買い取るよう裁判所に請求できますが、REITについての規定を定めた投信法にはそう言う規定は無く、不満であっても応じざるを得ないとのことです。

 

 となると、多少価格は不満でも今のうちに市場で売ってしまう、或いは買付に応じてしまう投資家もいるのではと一井氏は推察しています。

 

 一井氏の記事には、スターウッドとしても非公開化による私募リート化のメリットは無く、物件ごとに売却してしまうのでは無いかとも想定しています。

 

 以前のさくら総合R(オーストラリアのガリレオグループがスポンサー)の買収劇についても、外資だから狙われたという見方があるそうです。

 インベスコRより割安な投資法人は他にもあるようですが、インベスコRは日本国内にしがらみの無い外資REITだから多少の無茶をしても後々支障が少ないから狙われたのでは、と言う関係者もいるようです。

 

 だとすれば、インベスコRも、我が国の投資家も嘗められたものです。

 

 自己の保身のためにすでに半分売却した私が言ってもナンの説得力もありませんが、心の底からインベスコRを応援しつつ成り行きを眺めたいと思います。

 

有り難うございました。