武田薬品工業(4502)より配当金を頂きました。
武田薬品はここ10年来中間期90円、期末90円で年間180円配当を維持していますので配当利回りは4.6%です。
チャートを見る限り「はぁ~」と、ため息をつきたい所です。
かって同社株はNISA口座での購入人気銘柄の最上位でした。凸凹はありますがここ数年は株価5,000円台、配当は年間180円、配当利回りは3.6%程度。それなりどころでは無い抜群の知名度、高齢化社会へ向けて薬品会社の・・・ と、投資先として人気があるのも納得できました。
が、2018年以降の株価の低迷の最大の原因は、あまりにも巨額すぎるシャイヤー社の買収の是非、並びに買収により規模の拡大を図るという欧米流の経営手法に対する評価に尽きると思います。
時価7兆円の会社が7兆円の会社を買収するのですから
「オーイ! ダイジョウブ カ?」
と言いたくなる気持ちはわかります。
2014年6月の株主総会で現CEOのクリストフウェーバ氏を社長に選任した時から武田薬品は急速に経営体質を改変してきました。旧来の創業家支配までは遡らずとも保守的な社風を好む方からは「武田」が「Takeda」になってしまったという声も聞こえてきているそうです。
ただ、薬品業界は元来離合集散の激しい業界で、現に武田薬品もウェーバ氏就任以前から2006年食品事業、化学品事業をハウスや三井化学に売却する等のダイナミックな業容変換を実施してきました。
2011年スイスのナイコメッド社の買収金額はほぼ1兆円と言われています(今回の買収とはほぼ一桁違いますが)。
2020年3月期はシャイヤー買収後の初めての通期でしたので、シャイヤー社分を含めた売上高等損益計算書を遡及修正、当然バランスシートも遡及修正され、包括利益(純資産の変動額を加算)は2,000億円の赤字を計上しました。
明けて2021年3月期の2/四は売上高こそ対前年同期微減ですが、営業利益はほぼ倍増、通期では営業利益3倍増を見込んでいますが、株価回復の気配は遠いと言わざるを得ません。
こういうことを言うと製薬業界の方から総スカンを喰らいそうですが、製薬・特に開発は当たるも八卦、当たらぬも八卦、(「下手な鉄砲」は別として)鉄砲は数打たなければ当たらないので、開発資源(人材・知財蓄積etc.)を買収で拡充するという欧米流の発想は決して非難されるべきではないと思います。
写真は準備できていませんが、武田薬品の配当金支払い通知等の送付封筒の書類を取り出したとき、透かしの窓から「アリナミン」の広告が見えます。
私の持ち株でここに自社製品の広告を入れるのは同社だけなんですよ。
大阪商人の逞しさと、欧米流ドライ経営のシナジー効果の発揮を期待したいと思います。
有り難うございました。